カラオケで100点取るまで「君が代」を歌う (ニシカゲ)
こんにちは、ニシカゲです。
みなさん、カラオケの精密採点という機能をご存じだろうか?
精密採点とは
精密採点とはカラオケDAMに内蔵されている機能の一つであり、一般的な採点機能よりも精密な採点をすることで知られている。
そこで
今回この機能相手に自らの持ち曲である「君が代」で勝負を挑むことにした。
下準備
この精密採点で評価の対象となる事柄は『音程』『ビブラート』『しゃくり』の三つである。
特に音程は採点の中心となる要素なので外すわけにはいかない。
音程を外さないように歌うためには何度も曲を聴いて感覚をつかむしかない。
君が代は一曲だいたい一分半ほどなので二時間半リピート再生して聞けば百回以上聞くことができる計算。
何事も繰り返しが肝心なのでこれを実行。
また、カラオケでうまく歌う方法で調べてみると、ものを食べたり飲んだりした後だとうまく声が出せなくなるそうなので当日の朝から何も食べずに胃の中を空にしてカラオケに向かうことにした。
下準備が済んだところで今回撮影に協力してくれる仲間をよぶことにする。
ナルヒラ~!
ナルヒラ「よんだ?」
ナルヒラには今回カメラ撮影を中心にサポートをしてもらう。
それでは早速カラオケボックスへ。
いざ決戦へ
二十二時三十分。挑戦は始まった。
とりあえず君が代を片っ端から予約しまくる。
「次の曲君が代、1君が代、2君が代、3君が代……」というわけのわからない光景が画面に広がる。
ちなみに他4曲と書いてあるのももちろん全部君が代だ。
最初は特に何の手も加えずに歌ってみることにする。
歌っている途中、撮影のナルヒラがすでに笑いをこらえるのに必死になっていることに気付く。
自分にとっては「君が代」をカラオケで歌うことはごく普通の行為のつもりだったが、よくよく考えれば一般人がカラオケで国歌を歌うなどありえない光景だったのである。一般人と変態の境界線を垣間見た瞬間であった。
さて、そんなことをしている間に一曲目を歌い終えた。結果は……
思ったより音程がとれていなかったが、まあ一曲目なので。続いて二曲目。
・・・・・・下がってしまった。
実はこの精密採点の最低得点は50点であるためこの点数は結構まずかったりする。
まあ、ここまでは練習なのでここからちょっと本気を出すことにする。
ヒャッハー!!
80台をすっ飛ばしていきなりこの点数。
しかも音程100%という素晴らしい結果を残すことに成功。
さすがに伊達に170回以上君が代を聞いていないと言ったところ。
ただ、音程100%を達成してもこの点数ということは、音程以外の要素をどうにかして残りの8点を埋めなければならないということでもある。
そこで次はビブラートに注目してみた。
ビブラートとは「ある程度の音高を保って声を揺らす歌唱法」だという。
しかし、このように文章にされてもどうすればいいかさっぱりわからない。
とりあえず「声を揺らす」らしいので、次は君が代を演歌っぽく歌ってみることにする。
演歌というよりも、ただ馬鹿が変声出して歌っているようにしか聞こえない(実際は大まじめなのだが)
ビブラートを意識して1音1音上下に細かく震わす。
おそらくこれがビブラートだ!!
(のちにこれは一般にこぶしと言われている歌唱技術であることが判明した)
そして結果は……
!?
なんと過去最高得点を記録!
課題だったビブラートの秒数も上がっている!
まさか高得点への近道が演歌だったと盲点だった。
この調子で100点を目指していこう。
しかし!
その後は点数がなかなか伸びず、完璧に壁にぶつかってしまった感がある。
そこで!
この状況を打破すべく事前に用意をしておいた3つアイテムを使うことにした。
アイテム其の1 コーラ
実際はカラオケの前の飲食は高得点を狙うなら避けたほうがよく、ましてやコーラなどといった炭酸飲料はご法度である。
だが炭酸を抜いてしまえば話は別である
実はこのコーラは事前に炭酸をほとんど抜いた状態になっている。
炭酸を抜いたコーラは糖分を大量に含んだ水であり、疲労回復に大変効果がある。
実際に走る前に炭酸抜きコーラをのむマラソン選手も存在するらしい。
コーラを飲んだ!
さあこれで得点更新なるか!
・・・・・・
駄目だった……
そもそも疲労回復したところで別段歌唱力が上がるわけでもない。
炭酸抜きコーラ……失敗
アイテム其の2……角砂糖
砂糖は人の体の中ですぐにエネルギーに代わるため疲労回復に大変効果があるようだ。
実際の歌手でも歌う前に手のひらいっぱいの砂糖を食べる人もいるというのでたぶん効果はある。
絶食、夜更かし、コーラに角砂糖。
生活習慣病まっしぐらだ
そして結果は……
??
下がっている……
ここで疲れが出てきたか?
そもそも疲労回復したところで別段歌唱力が上がるわけでもない。
角砂糖……失敗
最後のアイテムにかけることにする。
アイテム其の3……バケツ
バケツなんてどう使うのかと疑問に思ったかたも多いだろう。
使用方法は実に簡単。
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かぶるのである
馬鹿じゃねーのか、と思うひとのために説明する。
例えは自分の声を録音したときに「あれ?自分ってこんな声だっけ?」と思ったことはないだろうか。
このように自分が聞いている自分の声と他人が聞いている自分の声には若干のずれが生じるのである。
このことはカラオケの採点にも言えることで、自分が正しい音程で歌っていると思っていても、
実際は外れた音程で歌っていることがあるのである。
つまり、バケツをかぶって歌うことで声を反射させ、自分の声を客観的に聞くことができるようになるのである。
このバケツを……
装着
どう見てもただの不審者だ。
こんなやつを見かけたら一発で警察に通報する自信がある。
バケツをかぶってマイクを構える姿はまるで尺八を吹く虚無僧のようだ。
さあ、今回の集大成ともいえるこの最終兵器の効果は……
・・・・・・
なんというかもういっそのこと過去最低得点とかが出ればよかったのにと思ってしまうようなつまらない結果が出てしまった。
そもそも音程はすで結構取れていたのでバケツをかぶる必要はなかったのかもしれない
そんな何とも煮え切らない殺伐とした空気を残して1時間にわたるこの挑戦は終了したのである。
まとめ
今回の挑戦では100点を出すことはできなかったが、収穫がなかったわけでない。
カラオケにまつわる数々の裏ワザが自分には合わないということを証明し、演歌法という新たなカラオケ歌唱法をあみだしたことは偶然であったとはいえ大きなことであった。
100点に届かなかったとはいえ96点は自己最高得点であり、今後カラオケをしていくうえで大きな自信となった。
この結果を出せたのは準備を怠らない努力する心と根気よく続ける強い精神だ。
今後はこの2つをカラオケ以外のところで発揮できるように頑張りたいと思う。
おい!人の努力を笑うんじゃねーよ!!
(ニシカゲ)
陰の者