クトゥルフで学ぶ楽しいPhotoshop (せみ)
ふんぐるい むぐるうなふ
いいものみっけたよ
まじでか
なにこれ
深きものか?
ただのニンゲンの女の子の写真だよ
Winnyでひろったのさ
怖い世の中やん
こいつをもっとかわいくしてあげよう
んなことできるん?
Adobe PhotoShopっていうソフトを使うんだよ
この前CS2バージョンが既存ユーザー救済の関係で事実上無償配布されていたのは記憶に新しいね
へぇ~、なぁなぁ、ワイにもできるん?
簡単さ!
今回は僕のCS6を使うよ
お前バケモンのくせにめちゃくちゃデジタルに生きとるやん
旧支配者といえど時代に取り残されたら終わりだよ……
起動してさっきの写真読み込ませたで
①がメニューバーとオプションバー
様々な操作や今選択しているツールの設定を行うところだよ
②はツールバー
便利なツールがいっぱいあるね
③にはいろんなタブがおけるよ
ここで色々な効果や画像全体の管理ができるんだ
④が編集する画像が表示されるスペースだね
これらの画面を総称して「ワークスペース」とも言うのさ
ワークスペースは自分の好みや使いやすさにあわせて
自由にカスタマイズすることができるんだ
例えば、「ウィンドウ」から「ナビゲーター」を表示させよう
おお
なんか小窓が出てきたで
タブはドラッグさせることで好きな場所やタブグループに追加することができるんだよ
拡大縮小も自由自在やん、なにこれ素敵
この赤い枠線は何や
それは今表示されている画像の範囲だね
ナビゲーター内の枠線を動かすことで画像の表示位置も動くんだ
じゃあさっそく画像を編集していこうか
メニューバーの「イメージ」を開いてごらん
あかん頭痛ぉなってきたで
ここで画像の色や大きさを調節するんだ
今説明に使われているたくさんの画像も「選択ツール」で指定した範囲で「切り抜き」して「画像解像度」で大きさを調節しているんだよ
じゃあ、写真を編集する上でよく使う機能から説明していこうか
「色調補正」の中には、写真の色味や明るさを変えるためのツールがいっぱい入っているよ
今回は、一番お手軽で簡単な「明るさ・コントラスト」を使うよ
こらわかりやすいな
「明るさ」をあげれば画面が明るくなって白っぽくなっていく
「コントラスト」をあげると色の境がハッキリするけど代わりに細かい色の表情は失われてしまうんだ
なるほど、めっちゃ上げれば顔のそばかすも消えたで
インスタグラムにオンナが自撮り写真をあげるときはこうやってコントラストを上げて肌を綺麗に見せているんだ
簡単に誤魔化せるっちゅーことか
そらアカンな、怖い世の中や
ただこのやり方だと全体的な色味が変わってしもたで
綺麗に顔のそばかすだけ消したいんやけど
そんな時は「コピースタンプツール」 が便利だよ
「Altキー」を押しながらコピーしたい場所をクリックして……
ペーストしたいところをクリックすれば、ほらね!
おお~~! 消えた! 消えたで! 魔法のようやな!
色の近い場所をコピーして消すんやな!!
その通り
あまり違う色の場所をコピーすると不自然になるからね
へいへいへいへ~~い! ……あっ! しもた!!!
ミスってもうたわぁ……もうアカン……
諦めるのはまだ早いよ!
「Ctrl」キーと「Z」を同時に押すと、一つ前の操作に戻れるのさ
Macを使っている人は「command」+「Z」だね
なるほど、いくらでも取り返しがきくっちゅーことやな
ワイの人生にも欲しいわ、この機能
……すまん、続けてくれや
「ヒストリー」タブを使えば、かなり前の操作まで一気に戻れるよ
いろいろやってみたけどやっぱり気にくわない、なんて時はこの機能を使うと便利だよ
おっしゃ! 完全に消えたで!
ただもうちょっと肌と髪の色は濃い方が好みやなぁ……
そしたら、さっきの「色調補正」から
「色相・彩度」を開いてみようか
「彩度」は色の強さ(鮮やかさ)
「明度」は、単純に明るさだよ
そして「色相」というのはね、少し難しい話になるけど……
虹を滑らかにしたみたいな色やな
これは「色相環」といって、色を丸く繋がるようにしたものさ
今回は赤茶の髪を青にしたいから、反時計回りをプラスとして、マイナス方向に111度色相をズラしたのさ
小難しいこと考えんでも、こんなんガーッ動かしたらええやん
まぁそれはその通りなんだけどね……
髪の色はワイ好みになってきたけど、ただ背景が世紀末や
なんとかしてこの女だけ変えられへんのか
じゃあこの女の子だけを選択しようか
「ツールバー」から「クイック選択ツール」を選んでごらん
これはクリックした範囲に近い色だけを近い場所から勝手に選択してくれるツールなんだ
「Shift」キーを押しながら選択すれば、どんどん選択範囲が広がるよ。女の子をクリックしないようにうまく避けながら背景を全部選んでごらん
便利な世の中やでしかし
狭いところはオプションバーでブラシの大きさを変えればええんやな
君は妙に勘がいいから画像の枚数を減らせて助かるよ
全部選択し終えたけど、これやと女の子やなくて背景選択しとるで
そこで、メニューバーの「選択範囲」から
「選択範囲を反転」をクリックするんだ
ワイは今奇跡に出逢うとる……
「選択範囲」は文字通り選択範囲の編集ができるのさ
大きさを変えたり、フチをボカしたりできるんだよ
髪の毛とか、細かいとこを修正したい場合は
どないするん?
そうしたら、「ツールバー」の一番下左にある、
「クイックマスクモードで編集」をクリックしてごらん
未選択の部分が赤ぉなってボタンが
「画像描画モードで編集」に変わったで!
「マスク」というのは、「マスキングテープ」なんかと同じものであると考えてしまってかまわないよ。マスクはブラシや消しゴムで自由に塗り直せるのさ。
なるほどな、細かいところは鉛筆ツールなんかで
選択範囲を手描きできるっちゅーことか
修正したら、「画像描画モード」に戻して……
「色相・彩度」で……これでどや!!
いあ! いあ!!
ちょっと目を離した隙にだいぶ進んだようだね
君、本当にこれが初めてかい……?
なぁ、もうちょっと顔色を濃くしたいんやけど、
「クイック選択ツール」やと大ざっぱすぎて顔だけ選べへんのや
そしたら、「クイック選択ツール」を長押しするか、その右下の三角形をクリックするとメニューが展開されるだろう?
そこから「自動選択ツール」を選んでみて
「クイック選択ツール」 は範囲で指定するのに対して
「自動選択ツール」は一点を元に同じ場所すべてを選択するんだ
オプションの「隣接」チェックを外すと、選択した場所と続いて無くても同じ色の場所を画像内で一気に選択してくれるのさ
その状態で女の子の肌をクリックすると……
おお! 顔だけやのうて手の方まで選択されたで!
その調子でオプションバー の「選択範囲に追加」をクリック
またはさっきと同じように「Shift」を押しながら色の濃い影の部分も選択してしまおう
これで「色相・彩度」を編集すればええんやな
そればかりだと芸がないから今度は別の機能を使ってみよう
同じく「色調補正」から「カラーバランス」を開いてごらん
これはどの色がどれだけ含まれているかを調節できる機能なんだ
「写真が目で見たときより赤っぽい」 なんて時はこの機能で「レッド」や「マゼンタ」を少し減らしてやるといいんだよ
こらなかなかのべっぴんさんになってきよったでしかし……
さて、今まで習った選択技術を使えば、背景の差し替えなんかも簡単にできるんだよ
ふんぐるい むぐるうなふ!
フォトショップっぽくなってきよったやん
まずは画像が「背景レイヤー」としてロックされてしまっているから、それを解除しようか
レイ……なんや?
絵や写真はすべて透明な板の上に描かれていて、それを重ねることで一枚の絵にするんだ
この透明な板のことを「レイヤー」と呼ぶのさ
べっぴんさんの裸の上に洋服を重ねていくようなモンか
君がその方が覚えやすいというならそれで構わないよ
「背景レイヤー」はその中でも最下層のレイヤーで、動かしたり消したりすることができないんだ
べっぴんさんの裸やな
まずは背景レイヤーのロックを解除しよう
「背景レイヤー」をダブルクリックすると「新規レイヤー」の作成画面が出てくるけど、構わず「OK」を選ぶんだ
べっぴんさんの裸ダブルクリックしてほぐしちゃるっつーわけか
ちょいと興奮するなしかし
これでさっきと同様に、背景を選んで「Delete」キーを押してごらん
ワイが悪かった
いあ!! いあ!!
このチェックの部分はすべて「透明」を表しているのさ
これで、適当な画像をここにドラッグ&ドロップしてみよう
画像の位置や大きさを決めたら、Enterキーを押して確定させよう
今は背景画像の方が上のレイヤーになってしまっているから……
レイヤータブ内のレイヤーをドラッグして順番を入れ替えるのさ
上にあるレイヤーほど前面に出てくるものだよ
いあ!! いあ!!!
母なる海よ!! いあ!!!!
でもこのままやと背景やけにクッキリしとって
不自然ちゃう?
背景写真のレイヤーを選択した状態で、メニューの
「フィルター」を開くと画像に様々な効果をかけられるよ
例えばぼかしたい場合なんかは「ぼかし」の中だけで、
ほらこんなにいっぱい!
この「ぼかし(ガウス)」っちゅーのは割とスタンダードやな
「フィルター」はたくさんの種類があるから、一通り試してみて、
自分の目で効果を実感するのが一番良いよ
よっしゃ、ワイは速さを求めるんや……
この「ぼかし(移動)」ってやつやな
ふむ……だいぶできるようなってきたな……
でもやっぱ画像編集いうたらアレやと思うんやけども
……? アレというと?
小顔や
なるほど~、ここにきてオンナに媚びてきたね
どんだけオンナ嫌いなんやホンマ……
女の子のレイヤーを選択した状態で、
「フィルタ」から「ゆがみ」をクリックしてごらん
ぬおお! 指で引っ張ってるみたいや!!
左上にいくつかボタンが並んでいるだろう?
それらを駆使して画像をゆがませたり補正したりしていくんだ
デブのゆがんだ顔も綺麗に補正できるよ
お前はまずそのゆがんだ脳みそ補正した方がいいとちゃうんか
うーん、いまいち納得いかんなぁ
イチからやり直したいときは「すべてを復元」を押すと
元の状態に戻るよ
特定の部分だけを直したいときは、左上のツールの中から
「再構築ツール」を選べば、ブラシの範囲内を元の画像に戻せるのさ
こうしてこうして……ここをこうして……
できたで!!
てらべっぴんやホンマ!!!
これは想像以上の美しさだね! 恐れ入ったよ
この女の子と背景を一枚の画像として色やフィルタの調整をしたいときは、レイヤーを両方選んで右クリックから「レイヤーを結合」を選ぶんだ
今あるすべてのレイヤーを一枚にまとめたいときは
「表示レイヤーを結合」をクリックしてしまえば一発さ
これで背景と女の子両方に効果がかかるわけやな!
さっき見つけた「逆光」フィルタかけたれ!!!
こ、神々しさが無限に増していくでホンマ!!
名状しがたい!!
さぁ、いよいよ編集が完了したら画像を「保存」するんだ
「保存」は上書き保存されてしまうから、元の画像を残しておきたい場合は「別名で保存」を選ぶと良いよ
「保存形式」はPhotoshop専用形式である「.psd」の他にも一般的な画像に使われる「.jpg」「.png」「.gif」や、「.pdf」なんかにも対応しているよ
もちろん、.jpgで保存した場合なんかには、Photoshop上でのレイヤーデータなんかは保持できないから、後でまた編集したい画像なんかは必ず「.psd」でも残しておくといいよ
まぁ今回は.jpg保存したろ
さて、じゃあBEFOREとAFTERを見比べてみようか!
BEFORE
AFTER
いや~、Photoshopを使うと、あの女の子がここまで
べっぴんさんになるんやなぁ!!
ただやはりプロユースのソフトであることに変わりは無いし、
値段もそれなりにはるからね、ご利用は計画的に、といったところだね。
無料でも「GIMP」なんかが匹敵するソフトとして有名らしいな!
しかし、改めてみても名状しがたいなぁしかし……
……はっ! ……まさか……!?
そ、そんな……これこそが……ハス……
ワイらは Photoshopと己の力で、深淵を覗き込んでしまっ……
せ、せめて真実を、ここに記……
な、なんだ、何か巨大なものがドアを!!
あ、ありえない!! なんだアレは!!
窓に! 窓に!
こちらがおうちを覗く時、おうちもまたこちらを覗いているのだ