学生団体に入るべきではない理由100パターン (ナルヒラ)
学生団体に所属しているあなたも、所属していないあなたも必見のライフハック!
キャラクター紹介
カズヤくん
中堅私立大学に通う文系の大学1年生。
学生のうちになんかデカイことをやってのけたいと思っているので、学生団体に入ろうと思っている。
学生団体博士
学生団体について研究している博士。
カオルコちゃん
博士が作りだしたアンドロイド。
感情が無く、黙々と博士の研究を手伝っているようだが……。
博士! 学生団体について教えてよ!
一体どうしたんだい、カズヤくん?(もぐもぐ)
芋煮食べてる場合じゃないってば、博士!
僕はとにかく就活で大手からバンバン内定を貰いたいんだよ。
待てよ、起業するっていうのも捨てがたいな、何をするかは決めてないけどとにかく起業して、一発当てて、次世代の最前線を駆け抜けたいんだ!
中堅私立大学に通う君が、かい?
……ぐっ、そうさ。
だけど、中堅私立大学生の僕が他の有名国公立大学生に勝つためには、それこそ学生のうちになんかデカイことをやってのけないとだめでしょ?
だから学生団体に入ろうと思ったんだ。博士は学生団体についてすごく詳しいから色々教えてもらおうと思ってさ。
……
……
やめておけ!
カズヤくん!
うわ! びっくりした! いきなり顔をでかくしないでよ、博士!
君は何も分かっちゃいない……学生団体がどれほど入るに値しない組織なのかについて教えてあげようじゃないか!
な、なんだって~~~っ!?!?!?!?
【学生団体は必要?不必要?】
カズヤくんは道行く50人に「学生団体は必要かどうか」を聞いたら何人が「必要」と答えたと思う?
う~ん……40人くらいはいるんじゃないかな?
答えはこれを見てもらおうかな。
カオルコちゃん、資料を。
カシコマリマシタ。
ぜ、全然認知されてないじゃないか、学生団体……。
そうなんだよ。
必要不必要うんぬんの前に学生団体っていうものがどんなものかを知らない人が多いんだ。
だからまずは学生団体ってものが何なのかについて詳しく見ていこう。
よろしくお願いします。
【学生団体とは】
そもそも学生団体とは何なのだと思う?カズヤくん。
それはもちろん
『学生一人一人が輝き、学生にしかできないことを実現するための場所』さ。
私はそういう曖昧な概念を聞いてるんじゃないんだよ、カズヤくん。
学生団体とはずばり『大学生が集まってなんかごそごそとやってる組織』だよ!
ど、どこがずばりなんだよ!
それに、なんだかその言い方だとものすごくバカっぽいし、存在意義が分からなくてどうしようもない蒙古斑のような組織に聞こえるじゃないか!
(……はっ、これは、無言の肯定!)
【4タイプの学生団体】
それはそれとして、学生団体には大きく分けて4つのタイプがあるんだ。
カオルコちゃん、資料を。
カシコマリマシタ。
ふむふむ。どのタイプもでかいことやってのけられそうだね。
ほらそんなところにしか価値が向かない。
学生団体に所属している人は今のカズヤくんみたいに、よく分からない価値基準でしかものごとを判断しないから厄介なんだ。
でも、僕は濃い大学生活を送るため選択肢のひとつとして、有りだと思うんだけどな。
そういうねじれの位置みたいに噛み合わない会話を自信満々でするのも学生団体の特徴のひとつだね。話を元に戻すよ。
学生団体という組織は主に上記のように分けられるんだけど、完全に4つのうちのどれかに分類されているのではなくて、それぞれの要素を少しずつ混ぜ合わせながらひとつの学生団体になっていると考えてもらったほうがいいね。
一つ目は『ボランティア型』
学生団体と聞いて最もイメージするのがこれじゃないかな。150以上の学生団体について調べた私の体感でもこのタイプが最も多かったよ。災害の起きた地域に諸々のお手伝いをしに行ったり、カンボジアを中心に東南アジアの恵まれない子供達のために学校立てる、といったことが主な活動だよ。
二つ目は『メディア型』
TwitterやFacebookをはじめとするSNSの隆盛に伴ってぐっと増えたのがこのタイプ。
ネット上で大学生向けの情報を発信したり、ファッションや食べもの、旅行といった様々なジャンルに特化して様々な情報提供を行うことが主な活動だよ。
大学生フリーペーパーを作ったりするところも、基本的にはここには分類しても構わないだろうね。
三つ目は『マーケティング型』
少し前から何かと耳にするようになった「意識の高い学生」が主にあてはまるのがこのタイプ。
起業を志したり、マーケティングやビジネス、就活に関するアンテナを常に張っているのがこのタイプの特徴かな。
アップルやFacebookなどが集積するシリコンバレーはこのタイプの人の夢を語る際には絶対に欠かせないキーワードになってくるよ。
四つ目は『イベント型』
そして最後にこのタイプ。
ライブや就活、パーティ、ファッションショー、ビジネスコンテスト、小規模説明会、合宿など様々なイベントを開催することが主な活動だよ。
どれも素晴らしい活動をしているじゃないか。
そうだね。
上記の説明文はあくまでも最大限好意的に解釈したものである、ということは忘れないでね。
今回は活動がどうこうというよりは学生団体に所属する人のひととなりに焦点を当てていくよ。
よろしくお願いします。
【学生団体いまむかし】
実はご年配のかたに学生団体とは何かと質問すると、
「学生が政府に対抗して行う政治的、社会的な運動」だと答える人が多いんだ。
それはどうしてなの、博士?
そういった学生による反社会的な行為「学生運動」を行う学生たちを「学生連盟」「学生運動家」そして「学生団体」などと呼んでいたから、その名残の組織なのかなと推測する人が多くいるんだよ。
「学生運動」について詳しく教えてよ、博士。
学生運動の発端は中世ドイツにおける大学自治権の要求運動なんだ。
元来、社会への批判・懐疑を抱きやすいという性質が学生にはあるため、近現代の社会運動において、社会変革の大きな勢力の一つとなったんだ。
1960年代末に中華人民共和国、フランス、アメリカ合衆国、ドイツ、イタリアなどで世界的な高揚を見せたこれらの運動は世界的には「Student power」として語り継がれているよ。
日本では大正デモクラシー時期にじわじわと学生運動の波が広がり始め、1960年の安保闘争、1968年 ~1970年の全共闘運動に盛り上がりを見せるものの、過激派による暴力、100名以上の殺害等により、以後はその勢いを弱める格好になったんだ。
一部の大学なんかでは、まだその文化が残っているけれど基本的には下火の状態だね。
そしてカズヤ君が入ろうとしている学生団体ができたひとつのきっかけとしてあげられるのは2007年の「サブプライムローン問題」だ。
これは住宅ローンの弁済金滞納とこれによる抵当物件差し押さえが劇的に増加したことが引き金となったもので、日本はもちろん世界中の銀行および金融市場に深刻な悪影響を与えているんだよ。
その結果、ニュースでよく言われているように日本では「就職氷河期」というひとつの形で社会にその影響を与えているんだ。
その未曾有の就職氷河期に真っ向から立ち向かわなくてはならないのが、何の因果か君たち
「ゆとり世代」だ。
なんとなくニュースで自分達の就職が厳しいことは知っている……
学生のうちに何かしなくては……
でも、座学や資格の勉強は面倒だし……
大学でも部活を続ける度胸は無い……
かといって、サークルでふにゃついてる人たちとは一緒にされたくない……
……そうだ、学生団体に入ろう!
学生団体に所属している人の多くはそういう思考のプロセスを経て「所属」に至るんだ。
実際に翌年の2008年に発足した学生団体は非常に多いし、続く2009年、2010年とその勢いは弱まる様子もない。さらにはここ数年で爆発的な普及を見せたSNSの存在も相まって、学生団体はどんどんとその勢力を拡大しているんだ。
そして、今の学生団体の流行に至るってわけだよ。
学生団体にはそういう歴史があったのか。
もちろん、私が主に研究しているのは「平成の学生団体」のほうだよ。
だから、「かつての学生団体」について詳しく知りたいという人は私ではなくて、しかるべき大学教授に聞いて欲しい。
さて、前置きが長くなったけど、これからは実際に
【学生団体に入るべきではない理由】を100個挙げていこうと思う。
ひゃ、100個だって~~~~っ!?!?!?!?
【学生団体に入るべきではない理由 1個目】
「学生にしかできないことをやりたがるわりにはビジネスマンごっこばかりやっているから」
学生団体を語る上で欠かせないキーワードになってくるのは
「学生にしかできないこと」だ。
学生団体の多くは「学生にしかできないこと」をやりたがるし、「学生にしかできないこと」をやっている自分達を誇りに思っている姿はよく見かける。
ところが実際に彼らが嬉々としてSNSやサイト上で報告する活動内容ときたらどうだ。
詳しく見てみるとやれどこそこの社長と名刺を交換してきただの「学生にしかできないこと」どころかただの「ビジネスマンごっこ」じゃないか。それもとびっきりしょっぱいスケールのね。
確かに社会に出ればほとんどの人間は代わりの効く平凡なビジネスマンになる。
そういう「自分は平凡な存在なんだ」という自覚があって、その上で平凡な存在という役割を全力でこなすために学生のうちからそういう経験を積んでおく、という「平凡になる覚悟」があってのその行為なら立派だとは思うけど、学生団体はそうじゃない。
才能も度胸もないのに自分こそがオンリーワンでナンバーワンの存在だという主張は絶対に曲げないし、それどころか自分達よりも何倍も立派であるはずの平凡な人を冷笑的に見ている。
言ってることとやってることがものすごくちぐはぐなのに、それを自慢げに他人に語る……そんな人間が無批判に崇められる組織に入るべきではないと私は思うよ。
アヒィーッ!
ちょ、ちょっと待ってよ。今いきなり出てきた
「夕日をバックにみんなで一斉にジャンプした瞬間を収めた写真」は
一体なんだったの?
コノ写真ハ学生団体ノ人ガヨク録ル写真デス。
ひゃー
次の理由に行ってもいいかな、カズヤくん?
よろしくお願いします。
【学生団体に入るべきではない理由 2個目】
「個人の実力で結果が変わるチャレンジをしていないから」
一般的に学生団体の個々の能力は低い。
能力というよりは専門技術といったほうがいいかもしれないね。
専門技術とは主にHTMLコードが書けたり、魅力的な動画を作れたり、Photoshopを使いこなすことなどを想像してもらいたい。
それもそのはず、基本的に学生団体は加入してくるメンバーの管理に関して、非常にずさんだからなんだ。新歓時期にとりあえすビラを配っておいて興味を持ってくれた人にはとりあえず加入してもらう、という方法が主流だけど、
こんななあなあな方法では当然、
見ず知らずの第三者が純粋に評価してくれるほどのクオリティを持つソフトやコンテンツを作るための才能や度胸を持った人材は集まらない。
当然、そんな人たちがいない集団だから議論による洗練もあるわけがない。
その結果、誰にでもできる(もしくはすでにやりつくされた)ものを作ったり、よく分からないイベントや自分の経験だけで書かれた根拠も無いライフハック記事を掲載する情報サイトのように需要の無いなんちゃってハードを作ることになるんだ。
革新的なことをしたい、という気持ちだけが先行して技術が全く追いついていない。
だから陳腐なことばかりやっている。ただ、声だけはでかい。そんな組織を評価する人がどこにいるっていうんだ。
結局のところ、学生団体には
「学生団体に入るような人物」しか集まらないということなのだよ。
グェベーッ!
もしかして、今いきなり出てきた
「イベント終了後の参加者全員が映っている集合写真」も……?
コノ写真モ学生団体ノ人ガヨク録ル写真デス。
ひゃー
次の理由に行ってもいいかな、カズヤくん?
よろしくお願いします。
【学生団体に入るべきではない理由 3個目】
「常に安全圏でぬくぬくと過ごし、リスクを背負う覚悟が無いから」
学生団体は基本的に視野や人脈を広げたりすることが好きで、言動の端々から狭いコミュニティで過ごすことを恐れているように見える。
でも、その主張とは裏腹に彼らは絶対に安全圏から出てこようとしない。
必ず自分のことを評価してくれる身内(およびその周辺)だけで構成されるその狭いコミュニティの中で「俺達は凄いことをやってのけた」と褒め称えあうことによって、フォアグラ用のガチョウみたいに肥大化したその自尊心を満たすんだよ。
ここに興味深い学生団体の特徴がある。
ハードを作る時の、その制作過程をブログやSNSでわざわざ他人に見せるんだ。
これは一体どういう心理なのか。
単刀直入に言うとハードの魅力や吸引力といった結果だけで評価される自信がないからだ。
「このイベントが完成するまで、僕達はこれだけ頑張りました」という努力の過程を見せておけば、ひとまずは立ち直れないほどスコンスコンにけなされることもほとんど無くなるだろうし、仮にあったとしても「でも、頑張りましたから」という他に類を見ないほど無価値な敢闘賞をいつでももらいに行くことができるようになるからね。
そもそも「学生団体」という名称がすでに覚悟の無さを物語ってはいないかい?
学生であることを大義名分にし、我が物顔で好き放題やる一方で、責任やミスや面倒事が発生すると「でも僕たちは学生ですから」と大人に丸投げするだろう。
そういう人たちに限って「学生に理解のある大人」しか認めないんだよね。
なんにせよ、そんな覚悟の無い挑戦は実家でやれ、ということだよ。
アババーッ!
【カオルコちゃんメモ】
コノ写真ハTwitterヤFacebookノヘッダー画像トシテ使用サレルコトガ多イデス。
【学生団体に入るべきではない理由 4個目】
「リーダーシップはあっても当事者意識は無いから」
近年、よくその必要性が叫ばれるようになったリーダーシップ。
もちろん学生団体にもリーダーシップに自信ありと顔に書いてるような人はたくさんいるよ。
ただ当事者意識を持っているかというとそうではない。
私は当事者意識=現実を見る力だと考えているのだけれど、どこの学生団体を見ても漠然とこの活動を続けた先には輝かしい成功が待っているんだ、という幻想にすがって日々生きている。
リーダーシップをはじめとして、学生団体にはスポーツとか勉強と違って客観的に評価する仕組みのない
人脈だとか
熱意だとか
視野の広さだとか
頭の柔らかさなどといった極めて曖昧な基準でその学生団体内での立ち位置が決まるという現状がある。そしてそれは極めて危ういことだ。
はっきり言ってそれらはほとんどが自己申告制だし、それらを持ち合わせている且つ声がでかくて自分に自信があるだけの人が無批判に崇められるという構造がどうも宗教臭くて信用がおけない。
現実を見ずに、中途半端な知識と無根拠な自信で上に立つことを許された人間に本当の意味でのリーダーシップなんて宿らないよ。
ブペァッ!
【カオルコちゃんメモ】
青イ丸ノアタリデハ、手ヲアゲテピースヲシテイルコトガ多イデス。
赤イ丸ノアタリデハ、ヨク金髪ノオ調子者ガヒョコヒョコシテイルコトガ多イデス。
【学生団体に入るべきではない理由 5~100個目】
〇傍から見てると「えっ」てかんじなのに当人はいたって本気だから
〇中途半端な知識と常識で上に立つことを許されてきたから
〇自我が肥大した教養不足の人間が集まりがちだから
〇草食動物みたいに視野ばっかり広げているから
〇やたらと役職を作り、肩書だけは立派という日本の悪しき伝統が脈々と受け継がれているから
〇公共の場所でしたり顔でドラッカーを読むから
〇そしてそういうやつらをバーナードとかファヨールを読んでるやつらが見下すという構造ができているから
〇さらにそういうやつらをハーツバーグとかリッカートを読んでるやつらが見下すという構造ができているから
〇真っ当な批判がくると「新しいことをやると必ず批判がある、でもおれたちは負けない」といったようにいまいち噛み合わない頑張り方をするから
〇答えが出ないことを美化しているから
〇【爆裂拡散希望】のように拡散の催促の仕方がすでにダサいから
〇団体の規模を自慢するから
〇「他のやつらと違う俺達」的連帯感があるから
〇「あー起業してえ」とつぶやくから
〇レベル高い人と一緒に行動して「学ぶものが多い」と言うから
〇アテも無く海外旅行するから
〇有名大学の学生団体出身者が、ソニーとかに入って会社を食いつぶしていくから
〇起業家や社会人との接点を持ってることを自慢するから
〇やたらとイベントを開くから
〇プロジェクトが好きだから
〇まさか自分に直すところがあるなんて思わないから
〇大学生活中における活動と得られるもの一覧をまとめると バイト:お金 インターン:社会経験 大学の講義やゼミ:知識 サークル:仲間 学生団体:マインド になるから
〇ちなみに上記の一覧は私が考えた物ではなくて、ある学生団体の人がSNS上で誇らしげに語っていたものだから
〇失敗したら落ち込んで励まされて「決意」を新たにするだけだから
〇オレが次世代リーダーになるといいつつ、当事者意識がないから
〇漠然と濃い大学生活が送れることをウリにしているから
〇やたらとブレストしたがるから
〇傍目には明らかに無意味に見える議題のミーティングを頻繁にするから
〇例えば、それぞれがこの学生団体に入った理由+感想を言い合うなどだから
〇身内を全褒めするから
〇夢は【世界中のすべての人が生まれてきて本当によかったと思う地球にする】だから
〇体のいい合コンだから
〇フリーペーパーを作るのは金を払う価値のあるものが作れないから
〇素人なのに金と時間をかけてものを作らないから
〇人だかりだから
〇多感症かと思うくらい刺激受けるから
〇らしくない話をしたり顔で語るから
〇大丈夫かよ、と思うくらいの大風呂敷を広げてスタートした学生団体が嘘だろ、ってくらいスケールの小さいイベントをしたり顔で開催してるから
〇レクリエーション係だから
〇日本は捨てましたとつぶやくから
〇大学生パワー全開だから
〇若いパワーがあるってことは若い奴が言うものではないから
〇関西の学生団体は「おもろいこと一緒にやろー」と誘うから
〇ブログの内容が一様にこの団体に入った理由だから
〇やりたいのではなく言いたいだけだから
〇学生団体が「かけがえのない友達ってこういうときに使うもの」って言ってる時に使ってるかけがえのない友達は得てしてかけがえのない友達ではないから
〇結局内向きのブログしか書かないから
〇新歓の一本締めがうまく決まったことで一体感を感じた学生団体がいたのにはさすがにびっくりしたから
〇個性的なメンバーの個性が残念ながらブログでは一切伝わってこないから
〇ギャグセンがたけー奴がいるから
〇頭が空っぽなのでどんどん吸収してやろうって自分で言うところが、相当頭が空っぽっぽいから
〇「社会ではそんなにうまくいくものじゃない」に対してやってやろうじゃんみたいな言動を取るが、3年後には「社会ではそんなにうまくいくものじゃないってことを、僕は学生団体の活動を通じて学んだんだ……」という明らかな敗北を美談っぽくけむに巻こうとするから
〇何もなしていないちっぽけな団体だけどあと半年でそれを覆す、と公式アカウントで言ったりするから
〇幹事サークルだから
〇熱い学生同士をつなげるだけだから
〇「やっぱりリーダー格は格が違う」とよく言っているけれど、本当に何が違うのかがよく分からないから
〇団体の理念やビジョンだけは異常に書き込んでいるから
〇団体の理念やビジョンだけは異常に書き込んでいるが実際に何をやっているのかはよく分からないから
〇狭いくくりの中で過ごすことを恐れるわりには身内しかいない生ぬるいコミュニティの中で過ごしているから
〇議論が自分の理解を超える範囲、または不利な状況になると横文字でけむに巻くから
〇キャパオーバーになることは避けたいから今はやめとこうという旨の発言をするから
〇これ以上自分に負荷をかけて堕ちていく自分を見たくないという旨の発言をするから
〇中身の伴わない偏っただけの自信満々の人が多すぎるから
〇座学の価値転倒として学生団体的を捉えているから
〇「学生」であることを金科玉条にして、我が物顔で振る舞うがいざとなったらすぐに大人の庇護を求めるから
〇「学生に理解のある大人」しかリスペクトしないから
〇「うっしゃ!」と言うから
〇学生団体での活動を通して分かったことは大体今の私でも言えることだから
〇自分の夢や悩みを真剣に語るといったまじめなツイートやブログ記事の締めで必要以上におどけるという謎のフォーマットが確立されているから
〇落とし込んでばかりだから
〇彼らのように仲よくやってると仲よく沈むから
〇3流のラノベっぽいセリフをよく使うから
〇ある学生団体主催のイベントのアンケートで『同世代の意識の高い人達とアイスブレイクした状態でグループワークでき、他の人からもフィードバックがもらえ学ぶことが多かった』という回答をした人がいたが、これは要約すると『行ってきた』になるから
〇代表の95%がガリガリだから
〇ブログがメーリスみたいだから
〇意識高い批判にマジレスしてて超意識高いから
〇悪い意味でへこたれないから
〇忙しいのにSNSをしてる暇は十分にあるから
〇やたらと平成を翔けたがるから
〇団体理念が馬鹿みたいに長いから
〇知った風な口しか聞かないから
〇学生団体が膨らんだ自我の逃げ場になっているから
〇熱い学生同士をくっつけるから
〇私たちは訳の分からない何かを見せられてるから
〇「大学生ひとりひとりが輝ける場所を作る」のような曖昧な言葉で人を動かそうとするから
〇人脈の広さや視野の広さや頭の柔らかさみたいなよく分からん基準でしか能力が判断されてないから
〇自分が何がしたいのかが分からない人が何がしたいのか分からない学生団体に所属しているから
〇代表のコメントが宗教臭いから
〇明確なビジョンを持っているけど結局何してるかはよく分からないから
〇ひとりで何かを為すという経験が絶対的に足りていないから
〇マーケットのニーズにフォーカスを当ててソーシャルメディアにコミットしつつマンパワーを生かしてマーケティングをするから
〇インスパイアされたらすぐにアクションを起こしモチベーションを保ちながらインプットとアウトプットを繰り返してトライアンドエラーするから
〇プロジェクト成功のためのミーティングを始める前にアイスブレイクをしてブレストをはじめとするグループワーク中にファシリテーションというプロセスを経て意見をフィードバックしたがるから
〇フリーランスになってコワーキングスペースでタスクマネジメントをしながらダイバーシティ溢れる人材をジョインさせつつシリコンバレーに本社を置こうとするから
以上だよ。
博士って、本当に学生団体が嫌いなんだね……
好きとか嫌いとかの話ではないよ。
学生団体に所属してない僕が客観的に見て学生団体はめちゃくちゃやってるな、と思ったからこう言っているだけなのであって、決して好きとか嫌いとかの話ではないよ。
もちろん好きか嫌いかで言ったら嫌いだけどね。
そろそろ学生団体に所属している人もおかしいと思いなよ。
血反吐を吐くような努力や極限のプレッシャーからは自分を正当化して逃げ続けるくせに、だらだらと群れながら2~3ヶ月に一回程度の頻度でよく分からないイベントを開催したりボランティアに行ったりすれば就活で無双できるなんてちゃんちゃらおかしな話だよ。
仮にできたとしてもそれはあくまでも本人の学歴によるところが大きいだけだ。
学生団体での活動なんて、所詮微々たるプラスアルファに過ぎないんだ。
漢検2級取得程度のものだよ。
そ、そんな……
僕が入りたかった学生団体には入る価値なんて無かったって言うのか!?
あんまりだ!! うわああああああっ!!!!
……
……カチッ。
疲れただろう、カズヤ君?お茶でも飲んで休憩しようじゃないか。
カオルコちゃん、お茶を二人分淹れてくれるかい?
カ……ピー、カシコマリ……ガッ……ガー……カシコ、カシ……
ん?
博士! カオルコちゃんの様子が変だよ!
ガー……ガーッ……
い、いかん! これはっ……!!
ガアアアアァァァァーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!
まずい! カオルコちゃんが暴走を始めてしまった。
ぼ、暴走だって!?
どうしてそんなことに!?
さかのぼること十数年前……
学生団体を忌み嫌う若き日の私は昼夜を問わず研究に明け暮れていた。
その時に研究を手伝わせるために作ったアンドロイドの助手、
それがこの「カオルコちゃん」だ。
しかし、当時の私は若かった。
ほんのできごころで、あろうことかカオルコちゃんに
「学生団体のようにどうしようもない人間が周囲に現れた場合にその人間を巻き込んで爆発する機能」をつけてしまったのだ。
そ、そんな!
もしかして僕が学生団体に入りたいなんて言ってしまったから、カオルコちゃんは……
いや、おそらくそれは違う。
カズヤくんを「どうしようもない人間」だと判断したのならば、君がここに来た時点でカオルコちゃんは爆発を始めていたはずだ。
そ、それならカオルコちゃんは一体誰を「どうしようもない人間」だと判断したっていうのさ!?
……
それはきっと……
この私だ!
そんな、どうして博士が……
当然と言えば当然の話さ。
いくら綿密な調査を重ねて、自信を持ってその不必要さを説くことができるようになったとしても他人のやっていることにとやかく言う権利は誰にも無い……そんな基本的なことを忘れてしまっていたのだから。
それに最終的にはカズヤくんに心の傷を負わせてしまったんだからね。
どうしようもない人間だと判断されても仕方ないさ……。
そんな……
ガアアアアァァァァァァアッ!!!
とにかく逃げるんだ、カズヤくん!!
博士は逃げないの!?
私にはこれから爆発してしまうカオルコちゃんを、
ここに押さえつける義務がある……。
そ、そんなことしたら博士……死んじゃうじゃないか!
ガアアアアァァァァァアッ!!!!!!!!!!!!
なに……自業自得さ。
それより最後にひとつだけ言わせてほしい……。
信じてもらえないのは百も承知だが、
私が素直に敬意を表し、応援している学生団体は存在する。
それは学生団体の名を冠してはいるものの、口だけが達者な他の団体とは違って、確かな技術を持ち合わせた人材を多数抱えており、作り出すハードやコンテンツの質も極めて高い。
組織内での管理やフォーマルな場での対応も完璧だ。
そして当然、メンバー全員でリスクを背負いながら何ヶ月も何年もの時間をかけて、ヒットするかどうかも分からないひとつのプロジェクトに一丸となって立ち向かっている。
その結果、世の中に強烈なインパクトを与えることに成功している、そんな学生団体だ。
私はそういう肝の据わった学生団体を
心の底から応援したいし、
その努力は報われるべきだと思う。
カズヤくんにも……そうあってほしいな。
博士……。うぅ……。
ガアアアアァァァァァァァアアッ!!!!
もう、時間が無い……。
さあ、行くんだ……カズヤくん。
くっ、くっそおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
タッタッタッタッ……
そう、それでいいんだよ……。
ガアアアァァァァァァァーーーーーッ!
カオルコちゃん……君にも本当に申し訳のないことをした。
何十年もこんな研究につき合わせたあげく、こんな機能まで付けてしまって……
ガアアァアァアァァァァーーーーーーーーッ!!!!!!
爆発まで3秒か……
3……
2……
1……
うぅ、博士……。カオルコちゃん……。
ごめんよ……僕が学生団体に入りたいなんて言ったばっかりに、こんなことになってしまって……。
はっ!?
こ、これは……
博士が食べていた「芋煮」!?
ぱくっ。
もぐもぐ……
うまーい!
~おわり~
ピエロと墓荒らしにご挨拶