挑戦!初秋の断食レポート60時! (ナルヒラ)
究極の健康法「断食」を実践してみました。
大学生特有の長い夏休みを怠惰に過ごしたのが問題だったのか、最近なにかと体調が良くない。
頭が重たいし、鼻もよく詰まるし、全身に倦怠感がある状態がここしばらく続いている。
私も20歳になり、これからは自分の体調についても気を付けなければ、少しづつ体にガタが出てくるのだろうなと考えると、そろそろ健康法の一つや二つでもやってみるかという気になった。
というわけで健康法についていろいろと調べてみたのだが、どうも「断食」というものが究極の健康法とされているらしい。
なんでも、もともと人間には自分の体を正常な状態に戻す自然治癒力という働きが備わっているのだそうだ。
しかし、1日3食の食事を取り、消化することを主においている状態では、体は自分の中にとどまった毒素を排出することができないらしい。
その結果、体の調子や自然治癒能力はますます悪くなり、薬に頼らなければならない状態に陥ってしまう。
そこで、断食をすると今まで消化に廻っていた労力がすべて排毒の方にまわり、体の内部にあった毒素を一掃してくれるらしい。
その結果、体内の毒素が無くなるだけでなく、自分を食物を取らない状況に置くことによって脳に生命の危機を感じさせ、今まで滞っていた自然治癒力の働きが一気に立ち上がるらしい。そして突然体の状態がよくなるそうだ。
今回私が行う断食は以下の通り。
○断食期間は60時間。
○水は飲んでもよい。
○断食期間の前後にはおかゆなど消化に良いもののみを摂取する「準備期間」と「復食期間」を設ける。
このルールに従って断食を行う。
※私の断食はあくまでも独自に調べた内容に基づいたものであり、100%正しいものではありません。そもそも、個人で行う24時間以上に及ぶ断食はあまり奨励されていないため、もしこの断食をまねしてみようという方がおられましたら自己責任で実施してください。
一日目
8:00 起床
当たり前といえば当たり前だが、断食にはダイエット効果もあるため体重も調べておいた。
9:00 タンブラーと水を購入
断食中は食物に含まれるを取ることができないため、意識して水を取らないとすぐに脱水症状を起こしてしまう らしい。
10:00 暇なので近所の伏見稲荷にやってきた
有名なパワースポットなので何か御利益があるかもしれない。
断食の成功を祈って参拝してきた。
9月も半ばに差し掛かってきたがまだまだ暑い。
こまめに水分を取って奥地を目指す。
伏見稲荷は本当に神秘的な場所だ。
腹は満たされないが、精神が満たされるような気がする。
水がうまい。その後も…
歩いては
水を飲み、
歩いては
水を飲む。
また歩いては
水を飲む。無心で歩いていると、
意外と高いところまで来ていたことに気づく。
そして、ここにきてとうとう空腹を感じ始める。
最後の食事として前日の22時ごろに少量のおかゆを食べて以来、何も口にしていないとはいえ、正式な断食を開始してまだ2時間ちょっとしか経っていないのにこれだけお腹が減っているのだが本当に大丈夫なのだろうか。
少しづつ不安になってきた。
お腹が減り始めると食べ物の看板が目につき始める。
ああ、おいしそうだなあ…
それでも食べ物の誘惑に負けることなく歩き続けることおよそ30分…
なんとか最奥部まできた。
動きすぎるとなんだか危険な気がしたので下山。
12:00 山を下りてきたので用を足す。しかし、ここであることに気が付く
断食中の体の異変 その1 尿が透明
汚い話だが色が全くない透明な尿が出た。
やはり水だけ飲んでいるとそうなってくるのだろうか。
何か問題があっても怖いのでとりあえず家に帰ることにする。
13:00 帰宅
空腹を紛らわせるためにももっと外で動き回りたいが結構な運動量の登山を終えた今、これ以上の汗をかくのは本能がNGを出している。
家に帰っても特にすることが無いので絵を描く。
前々から描きたかったFacebookのカバーイラストを描くことにする。
大好きなカエルの絵でも描こう。そう思って鉛筆を持ったその瞬間気が付く、
断食中の体の異変 その2 手が震える
自分の指先に集中するとプルプルと手が震えているのが分かる。
手の震えと格闘しながらも絵を描き進めていくが、ここからは立て続けに体に異変が起きる。
15;30 断食中の体の異変 その3 移動時に頭にズシっとした重さを感じるようになる
16:00 断食中の体の異変 その4 体の芯が熱くなってくる
17:00 断食中の体の異変 その5 胸骨のあたりに鈍痛を感じるようになる
17:30 断食中の体の異変 その6 食べ物のこと以外考えられなくなる
この17:30からが本当に地獄だった。
絵を描いている時も、テレビを見ている時も、部屋掃除をしている時もずっと食べ物のことが頭から離れなかったのである。
こういう写真とか
こういう写真とか
こういう写真をずっと凝視していた。
おいしそうな写真ばかりを見ているともっとお腹が空いてきて後悔してしまう。
他にも「100円でできるおいしいレシピ」とか「おいしい丼ぶりの作り方」などのレシピサイトや「日本食の歴史」のような食に関する文章をずっと読んでいたのだが、空腹が限界まで達し起きているのが辛くなったので今日はもう眠る。
20:30 就寝
二日目
6:00 起床
結構すっきりと目が覚めた。
前日の夜よりは空腹感が無くなったように感じるがまだつらい。
そして、トイレで用を足している時に新たな体の異変に気が付いた。
断食中の体の異変 その7 尿が茶色っぽい
汚い話で申し訳ないが、前日の12:00以降はずっと尿の色は透明だったのだがここにきて、突如茶色っぽくなった。体内の毒素が排出されているのだろうか。
前日は断食中にも関わらず、中々のエネルギーを必要とする登山に行ってしまったので(後々調べると断食中の運動は控えた方がいいらしい)今日は電車で文化的な建造物を周っていくという徳の高い行為で時間を潰そうと思う。
最寄駅に向かうために自転車で漕いだ瞬間にまた異変に気付いた。
断食中の体の異変 その8 足に激痛が走る
膝から足首にかけての部分がとにかく痛い。
痛いというよりはむしろ、足がピリピリと痺れてこそばいような感覚で全く力が入らない。
普段の3分の1くらいの速度で自転車を漕いだ。
11:00 「京都文化博物館」に到着
平安建都1200年記念事業の一環として建てられたというこの博物館。
外装からすでに趣がある。
この日は市民のフリーマーケットが行われており、大勢の人で賑わっていた。
水分をしっかり取りながらいろいろと見て周る。
今日はこれを見に来た。
やっぱり自発的にいく博物館は本当に楽しい。
きれいなヴェネツィアの景色や絵を見たり、歴史について勉強するのは本当にたまらない。
食べ物の情報に敏感になり「ヴェネツィア料理が世界三大料理の一つであるフランス料理に少なくない影響を与えた」系の知識がたくさん増えていった。
撮影と飲食ができるスペースで痺れる足を休める。
なんだかんだで、この時点では空腹よりも足の痺れの方がつらかった。
しっかり休んだ後、次の目的地に向かうのだが…
ああ…
おいしそう…
とにかく街の飲食店の看板やにおいが本当に魅力的で、何度断食をやめてお腹いっぱい飯を食べようと思ったことか。
しかし、実は断食中に最もやってはいけないことは「食欲に任せて肉や油分を含んだ食べ物を大食いをしてしまうこと」なのである。
断食中は食べ物が内臓の中に食べ物が一切入ってない状態なので、臓器の活動量と大きさがとても小さくなっているらしい。
そこに、内臓の活動に大きな負担をかける肉や油などを入れてしまうと食べ物をうまく消化することができず、「※腸捻転」などの大きな障害を発生させることになり、最悪の場合死に至る可能性もあるそうなのでさすがに断念。
※腸捻転症のこと。腸が捻れることにより主幹動脈閉塞による虚血(壊死に至る)、腸閉塞などを起こす病気。
すんでのところで腸捻転を避けることができた私が次に向かったのは「京都国際漫画ミュージアム」
何でも小学校を改装して作った施設らしく、趣のある建物の中にはこれでもかというほどマンガ本がずらっと陳列されており、圧巻だった。
好きなマンガを思い思いに読んでいいとのことだったので、もちろん「美味しんぼ」や「クッキングパパ」などを積極的に読んだ。
何時間もマンガの世界に浸った後は次の目的地を目指す。しかし…
カツサンドや…
丼ぶりや…
メロンパンが行く手を阻む。
このおしゃれなケーキ屋の何が危険だったのかというと…
あのダクトだ。
あそこから暴力的なまでに甘くて食欲をそそるにおいが噴出している。
正直言って、ここで断食をあきらめて腸捻転になるリスクを承知の上で、欲望のままにケーキに飛びつくかどうかを本気で悩んでいた。
16:00 「二条城」に到着。
徳川家康の将軍宣下に伴う賀儀と、徳川慶喜の大政奉還が行われ、江戸幕府の始まりと終焉の場所として有名なスポット。
ここが二の丸御殿。
遠方から来訪した御仁をもてなすのに使われていたそうだ。
ここは二条城の誇る庭園。
戦後はGHQの意向でテニスコートが作られたこともあったらしい。
この日も暑かったのでこまめに水分を取っていた。
そしてここにきてあることに気が付いた、
断食中の体の異変 その9 空腹感を感じないようになる。
本当に驚いた。
まさにこの写真を撮った直後にそのことに気が付いたのだが、とにかく今まで苦しめられていた空腹感が突然消えたのである。
そして、空腹感が無くなったことにより今まで感じていた不安などもなくなり、とてもすっきりとした清々しい気分になった。
もちろん食べたいという欲はあるのだが、今までと違い「まあ、食べなくてもいいか」というような感覚になってきたのである。
帰り道にも様々な食べ物の看板を見たけれど今までのように迷うことはなかった。
18:00 帰宅
今はものすごく気分が楽である。
絵の続きを描くことにする。
だいぶ完成が近づいてきた。
なんだかんだで今日も結構歩き回ったので早めに寝ることにする。
22:00 就寝
三日目
8:30 起床
寝覚めはとてもすっきりしている。
空腹感が前日に比べれば驚くほど少ないので総じて気持ちのいい朝だった。
水を飲みに行こうと思い、歩いた瞬間
断食中の体の異変 その10 足が前日よりも痛い
すでに前日の時点でかなり足は痛かった。
しかし、今日の痛さはそのもう一つ上を行っていた。ほとんど足に力が入らなかったので今日は夜まで絵を描き続ける。
16:00 カバーイラストの完成
納得のいく絵が描けて大満足だ。
断食しながら一日中作業に没頭していたのもあり、ものすごく精神が研ぎ澄まされたような気がする。
今ならあと2日くらいなら断食を続けられる気がした。
そして…
20:00 ようやく断食が終了
最初のイメージだと「終わった!!飯行くぞ!!うおおおおおおおおおおおおお!!」のようなテンションなのかと思っていたが、実際は「…終わりましたか」といった修行僧のような感覚だった。
とにかく心は穏やかだった。
体重もスタート時から2.1キロ減っていた。
断食明けの食事はおかゆを食べるのが良いそうなので、相変わらず足は痛かったがおいしいおかゆを出すお店に向かった。
そしておかゆが運ばれてきた。
真ん中の抹茶塩と混ぜて食べるらしい。
実に60時間ぶりの食事。いただきます…
…
…
…
…おいしい。 本当においしい。
何というか心にしみる味だった。
味付けはものすごく薄味だったのだが今はこれで満足だった。
むしろ、体に良いものを摂取できているという実感があってとても幸せだ。
おかゆの中に隠れていたさつまいもや栗、餅も一緒に少量づつ、しっかりと噛みながら二十分かけて完食。
本当においしいごはんだった。
以上で60時間の断食が終了した。
60時間の断食中に飲んだ水はタンブラー(300ml)26本分なので計7.8リットル。
断食を終えて感じたこと
○断食後はお腹いっぱい食べるぞ!という欲は断食終盤にはなくなっている
○足が痛くなる(後々分かったのだが、断食中に極端に痛みを感じる部位は調子が良くないらしい)
○おいしい食べ物のにおいを嗅ぐとすぐに心が折れそうになる
○断食中は基本的に食べ物のことが頭から離れなくなる
○空腹感を感じなくなる一線を越えると途端に楽になる
○寝覚めがスッキリする
○食事に関する時間(買い物や料理、外食をしに行くなど)が0になるため時間が増えた感覚になる。
○精神が研ぎ澄まされてくる
○断食後に食べる食事がすべておいしく感じる
○ジャンキーな食べ物を食べようという気が起きなくなり、体に良い食べ物を欲するようになる
○食のありがたみを感じるようになる
断食を終えて最も実感したのは食のありがたみと楽しさである。
今日はどんな食べ物を作ろうかと考えて、体に良いごはんを食べるというのはとても幸せなことだ。
断食後の数日はおかゆやお茶漬けを食べて内臓の活動を少しづつ回復させる復食という期間を終えた後も、肉や油、魚、砂糖などを取る気が起きず、無意識のうちに冷奴や味噌汁、サラダなどの体に良い食べ物を食べている。
心なしか食べ物を取るにつれて、どんどん体調が良くなっていくような感覚があり、今は断食前の比べてものすごく体調が良い。
健康を見直す一つのきっかけとして、みなさんも断食をやってみてはいかがだろうか。
※私の断食はあくまでも独自に調べた内容に基づいたものであり、100%正しいものではありません。そもそも、個人で行う24時間以上に及ぶ断食はあまり奨励されていないため、もしこの断食をまねしてみようという方がおられましたら自己責任で実施してください。
ピエロと墓荒らしにご挨拶