あなたは本当にゴキブリについて知っていますか? (ナルヒラ)
特にゴキブリに悩まされる季節ではないけれど、ゴキたくん達と一緒にゴキブリについて学ぼう!(ゴキブリの写真は一枚も出てこないので安心してね!)
とても元気なゴキブリの男の子。
黒光りするクールな見た目を持ち、足が速いクラスの人気者。
また、どんな病原菌とも仲良く共生できるし、害虫
なんでももぐもぐ食べるゴキブリの女の子。
そのかわいらしい触覚ととつやつやしたお肌が魅力的でとても友達が多い。
また、パタパタと空を飛ぶこともでき、害虫
ゴキブリの博士。
ゴキブリであり、害虫
ふぃ~~~、危ないところだったよ。
まったく、悪さはしていないのになんで殺されなくちゃならないんだよ…
くそう…
ゴキたくんもなのね。
私も今まさに人間に殺される寸前で逃げてきたの…
もう、こんなのイヤ…
ゴキこちゃん…
悩んでいるようだね。ゴキたくん、ゴキこちゃん。
その声は、ゴキはかせ!
ゴキブリがなぜ人間達に忌み嫌われているのか…
それを知るためにはまず私達ゴキブリがどのような存在であるかについて詳しく知る必要がある。
どうだい、ひとつここで我々ゴキブリについて今一度勉強をしないか?
はいっ!!
まずは基本的な情報から始めようか。
そもそもゴキブリとは…
熱帯を中心に、全世界に約 4,000 種、うち日本には南日本を中心に 50 種余り(朝比奈正二郎 『日本産ゴキブリ類』 によると 52 種 7 亜種)存在しているんだ。世界に生息するゴキブリの総数は1兆4853億匹ともいわれており、日本には236億匹が生息するものと推定されているよ。 体長は10mmほどから100mmに達する種類まで様々だが、家住性の種はどれも10-40mm程度だよ。最大種は南米に生息するナンベイオオチャバネゴキブリで、体長110mm、開長200mmに達するんだ。日本産の最大種は石垣島、西表島に生息し、体長50mmになるヤエヤママダラゴキブリなんだよ。 全身が上から押しつぶされたように平たく、狭い場所に潜むのに都合がよい体型をしている。頭部は胸部の下に隠れるようになってるんだ。口には大あごがあり、食物をかじって食べるよ。複眼の機能はあまり良くないが、長い触角と尾部の尾毛(びもう)がよく発達し、暗い環境下でも周囲の食物の存在を敏感に察知するよ。脚がよく発達し、走るのが速いんだ。例えばワモンゴキブリの走る速さは1秒当たり1.5m(体長の40~50倍)と言われているよ。成虫にはふつう翅が 2 対 4 枚あるけど、前翅だけ伸びる種類、もしくは翅が全く退化してしまった種類もいて、これらの種類は飛翔能力を欠いてしまっているんだ。また、翅が揃っている種でも飛翔能力は低く、短距離を直線的に飛ぶ程度なんだ。体表に光沢をもつ種類が多く、「アブラムシ」(油虫)の別名もあるけど、種類によっては光沢を欠くものもいるよ。光沢をつくる脂質は、ヘプタコサジエンを主成分とするんだ。 卵 – 幼虫 – 成虫という成長段階を踏む不完全変態の昆虫なんだよ。卵は数十個が一つの卵鞘に包まれて産みつけられるが、チャバネゴキブリのようにメスが卵鞘を尾部にぶら下げて保護するものや、サツマゴキブリのように一旦体外で形成した卵鞘を体内のポケット状の器官に引き込んで体内保護するものもいるよ。また、完全な胎生である種もいる。幼虫は翅がない以外は成虫とほぼ同じ形をしていて、5 – 7 回の脱皮を経て成虫となるわけだね。クロゴキブリのような大型種は成虫になるのに 1 年半から 2 年ほどかかるものが多くて、世代交代の速度は意外に遅いんだ。体の脂肪体を栄養とすることで、ワモンゴキブリは水さえ摂取していない状態でも30-40日は生き残れるから驚きだ。 ゴキブリが出現したのは約3億年前の古生代石炭紀で、「生きている化石」ともいわれていて、実は日本における最古の昆虫化石は、中生代三畳紀の地層から発見されたゴキブリの前翅なんだよ。古生代から絶滅せずに生き残ってきたことから「人類滅亡後はゴキブリが地球を支配する」と言われるほどだけど、実際には森林環境に依存している種が多いので、人類が自らの環境破壊によって森林環境を道連れに滅亡した場合には絶滅する種が多いと推測され、人家生活型のコスモポリタン種は依存する人家環境の消滅によって絶滅する可能性が高いと言われているよ。むしろこの発言は著名な生物学者がマスコミ向けに、人類が万物の霊長として驕り高ぶることに対して警鐘を鳴らす意味で発した、はったりの要素が強いものなんだけどね。 本来は熱帯雨林に生息する昆虫で、昼間は朽ち木や落ち葉のかげにひそみ、夜になると出歩いて菌類、樹液、朽ち木、動物の死骸や糞などを食べる雑食性の昆虫だよ。食物の主体は朽ち木などの腐植質であり、中にはクワガタムシの幼虫やシロアリのように朽ち木のみを食べて生活するものも少なくないんだ。やがて特に雑食性の強い種の中から寒さや食物に困らない人間の住環境に進出する種類が現れ、害虫として激しく忌み嫌われるに至っているよ。ゴキブリは、体内に共生する微生物により、タンパク質などのアミノ酸体窒素に非常に乏しい食環境で生活できるんだ。残飯や動植物遺骸は勿論、人間の垢や毛髪、和紙や油まで食べるから驚きだ。 家屋害虫となるゴキブリの種類は全てのゴキブリのうち1%にも満たないんだよ。人家に棲むゴキブリの中で特にコスモポリタンとして世界中に広まっている外来種には、クロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリなどのようにアフリカ原産だったと推測されているものが多いよ。これらは寒さには弱く、日本での生息地は北海道と高標高地を除く場所である。しかし近年では人家生のコスモポリタン種は北海道にも進出して一年中暖かいビル内などで繁殖・定着しているんだ。一方、森林性の種類は在来種のオオゴキブリ、モリチャバネゴキブリ、サツマゴキブリ、ルリゴキブリなどがいるが、在来種のヤマトゴキブリのように人家にも生活の場を広げる例もあるけれど…
うぎゃーーー!!!気持ち悪いよ!!!!ゴキはかせ!!!
こんな長い説明する生き物はゴキブリ関係なく気持ち悪いよ!!!!!!
うなずけるーーーー!!!!!!
こんな気持ち悪いことを言うゴキブリには本当の意味で最小限の敬意しか表せないので嫌われるのもうなずける!!!!!!!!!!!!!!
すまないすまない…
ちょっと難し過ぎたかな?
ざっくりと説明すると僕たちゴキブリの特徴は
〇全世界に1兆4853億匹いる(個体数がとても多い)
〇黒くて光沢があり平べったい
〇大きなあごがあり、食物をかじって食べる
〇少しではあるが飛翔能力を持つ
〇なかなか死なない
〇足が速い
〇卵を産む
〇3億年前からいる
〇人類滅亡後は地球を支配する可能性がある
〇本来は熱帯に住んでいたが、寒さや食べ物に困らない人間の住環境に進出してきた
〇人間の垢や毛髪、和紙や油も食べる
〇対策がしづらく駆除が難しい
〇コスモポリタン種がいる
ってところかな。
へぇ~、そうなのね。
…待てよ、ってことは…
〇個体数がとても少ない
〇白くて光沢が無く、ふっくらしている
〇大きなあごがなく、食物をかじらずに食べる
〇高い飛行能力を持つ
〇すぐに死ぬ
〇足が遅い
〇卵を産まない
〇3億年前には存在していなかった
〇人類滅亡後に地球を支配する可能性が無い
〇本来は熱帯に住んでおらず、寒さや食べ物に困っても人間の住環境に進出してこない
〇人間の垢や毛髪、和紙や油は食べない
〇対策がしやすく駆除が簡単
〇コスモポリタン種がいない
っていう特徴を持つ生物になれば人間には嫌われないってことか!
まあ、ゴキたくんったら!
えへへ…
時にゴキこちゃん。君は「人間がゴキブリを食べた後、食べたゴキブリが胃の中で繁殖し、内臓や胃を食いちぎられて死亡した」という話を聞いたことがあるかな?
ええ聞いたことあるわ!
でも実際に私達たちって本当に胃の中で繁殖できるの?
そう!そこなんだよ、ゴキこちゃん!
いかに生命力の強い我々ゴキブリといえども強力な胃酸の中で卵が孵化することは有り得ない。
しかし、このような都市伝説が広まるということ自体がゴキブリのイメージの悪さを物語っているものとも言えるんだ。
なるほど…
こういう悪いイメージを取っ払うことが大切ってわけだ!
そういうこと!
さっきも言った通り、ゴキブリは全世界に1兆4853億匹もいるんだ。
私達ゴキブリって本当にたくさんいるのね。
確かに。
ってことは、人間は全世界に70億人しかいないから、単純計算で一人につき212匹のゴキブリを支給することもできるってこと?
うむ。
その組織が何の目的でゴキブリを全人類に支給するのかはよく分からないが、
ゴキたくんの言う通り、人間は全世界に70億人しかいないから、単純計算で一人につき212匹のゴキブリを支給することもできるよ。
でも、裏を返せば人間一人当たり212匹のゴキブリを殺せば全世界のゴキブリは死滅する。
ひゃあ~
ゴキたくん達は「密封した袋に頭を切り落としたゴキブリを入れておくと、1か月間生き続け、最終的に餓死する」というエピソードを聞いたことはあるかな?
もちろん!
ゴキブリの強力な生命力を表すエピソードとして有名だよね。
この話を人間に置き換えてみるとどうなるだろうか。
1か月後に餓死する云々の話ではなく、頭を切り落とした時点ですでに死んでいるだろうね。
そっか、ゴキブリにとっては当然のことでも、人間からすればとんでもないこともあるのね。
私は人間がゴキブリを嫌う一つの要因として、
「自分達の常識では計れない、未知のものへの畏れ」があると考えているんだ。
つまり、人間がもっとゴキブリに対しての理解を深めてくれれば、ゴキブリに対する嫌悪感も少しは薄らぐのではないかな、と私は考えているよ。
ゴキはかせ…
ゴキブリは人の役に立つのか、という観点から見れば実は
「ゴキブリはおいしい」という事実は意外と知られていないんじゃないかな?
えっ、そうなの?
ゴキブリの皮膚はキチン質という成分でできているのだけど、実はエビの殻なんかも同じ成分なんだ。
味はシバエビに似ていると言われているよ。
へぇ~。
シバエビの味がいまいちピンと来ないけど、エビとあるからにはある程度おいしいんだろうね。
そう!
それでも、一般家庭の台所などから見つかる個体は有害物質の生物濃縮が進んでいる危険性が高いから、食用にするのは不適切なんだけどね。
じゃあ、僕たちみたいなゴキブリは食べないほうがいいってわけだ!
そうさ!
またゴキブリは民間医療としても用いられるんだ。
地域ごとに様々な効能が謳われていてね(もちろん迷信も多いけど)、牛馬の骨折や捻挫に湿布として用いることは世界各地で行われていたよ。
ゴキブリを薬として使用するわけね!
ご名答!
ゴキブリの有効成分は各種脂肪酸であると推測されていて、臨床例ではサツマゴキブリの遊離脂肪酸から溶血作用が報告されているんだ。
「金匱要略(きんきようりゃく)」によればサツマゴキブリやシナゴキブリの雌は血行促進作用を持つものとして漢方薬の一つに扱われているし、これらの薬効は日本の薬局方では認められていないけど、シナゴキブリの乾燥品は漢方薬として簡単に入手できるんだ。
なるほど!
「金匱要略(きんきようりゃく)」にそう書いてあるのならきっと間違いはないね!
私達ゴキブリも捨てたものじゃないわね。
…ゴキはかせ。
ここまでゴキブリについて勉強して、ひとつ気になったことがあるんだけど…
なんだろうか?
ゴキブリは意外とおいしいとか漢方薬として使われることによって人間の役に立つっていうのは理解できたんだけどさ、
それって、もしかして…
…
僕たちゴキブリは
死ぬことでしか人間の役に立てないのかな…
ゴキたくん…
ゴキたくん、そんなことはないよ!
ゴキはかせ…
いいかい?
君は人間に嫌われたくない、その一心でここまで私の話を聞いてゴキブリについて勉強してきたんだろう?
人間も我々ゴキブリも、同じ地球上に住む生き物だ。
お互いのことを理解し、尊重する…それができればきっと共存は可能なはずさ!
ゴキたくんがそんなことに絶望して、学ぶことをやめてしまうなんてバカバカしいことだとは思わないかい?
ゴキはかせ…僕、頑張るよ!
もっとゴキブリについて勉強して、人間に嫌われないようになりたい!!
その意気込みだ!
じゃあ、次はゴキブリの天敵について勉強しようか。
いかに強力な生命力を誇るゴキブリと言えど天敵は存在するんだ。
その代表格はアシダカグモといっ
「バリッ!」?
バリッ、バリッ…
ア、ア…
アシダカグモだ!!
人家に棲息する大型のクモ。網を張らず、歩き回って獲物を捕らえる。
ゴキブリなど家の中の害虫を食べる益虫
うそ…そんな……ゴキはかせ………
コホォー…
きゃあーーーーっ!!!!!!!
ゴキこちゃん!!!!!!
危ない!!!!!!!!!!!!!!
キシャアアアアアアアアアア
アアアアッッッッッッッ!!!!!!!!!
バリッ、バリッ…