究極で至高の調味料!百味唐辛子をつくれ!

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究極で至高の調味料!百味唐辛子をつくれ! (ニシカゲ)


こんにちは、ニシカゲです。

皆さんは、七味唐辛子をご存じだろうか?


 

七味唐辛子とは

七味唐辛子とは一般的に普通の一味唐辛子に、麻の実、青のり、山椒、陳皮、ケシの実、すりごまを加えた調味料であり、うどんやそば、または焼き鳥などにかけて食べる。

ケシの実の代わりに白ごまがはいったりするなど微妙に違いはあれど、七味というのは基本的に変わらない。

 

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「十二味唐辛子」という昔話

話はいきなり変わるが、私は子供のころ「十二味唐辛子」という昔話を読んだことがある。

内容はこうだ。

昔、旅の男が人でにぎわう通りを歩いていると、道端で唐辛子を売っている男が声をかけてきた。

「お客さん、十二味唐辛子はいらんかね?」と。

旅の男は、「七味唐辛子ならどこでも売っているが十二味唐辛子とは珍しい」と考え、土産に一袋作ってもらうことにした。

唐辛子売りは、袋に唐辛子、麻の実、青のり、山椒、陳皮、ケシの実、すりごまをいれて旅の男に手渡した。

男は、「それでは、普通に売っている七味唐辛子と変わらないではないか」と文句を言った。

すると唐辛子売りは笑いながらこう答えた。

「見ての通り今日は人気が多くて、だいぶほこりがたっています。それで唐辛子に少々ごみを入っています。七味とごみ(五味)で合わせて十二味。十二味唐辛子でございます」

 

 

 

 

 

 

そんな屁理屈は許されない

この昔話を読んだのは小学校の低学年の時だが、納得のいかない部分がかなりあった。

もちろん、ごみを五味とする唐辛子売りの親父のくだらない駄洒落にも腹が立ったし、「仮にも食品売っているくせに不衛生すぎるだろう、ふたでもしとけ」と か「一休さんみたいなとんちをいって得意げになってるけど、自分の商品にごみが入っているのを言っちゃだめだろ」などこの唐辛子売りに対する不満は絶えな かった。

しかし、私が思った最大の疑問はこうだ。

「十二味唐辛子ぐらい作れるだろう」

十二味唐辛子という単語をインターネットで調べてみると、七味唐辛子の材料に加え、ゆずの皮やピーナツといったオリジナルの材料を加えて十二味唐辛子を作っていた人がいた。

唐辛子売りも商売人ならこの人を見習って、自分なりに工夫して十二味唐辛子を作ればよかったのではないか。

十二味唐辛子を作りたいのいうのは、私の小さいころからのひそかな願望であった。

しかし、もうすでに作っている人がいるという。

それなら私はこうしよう。

 

 

百味唐辛子を作ってやる!

 

 

七味唐辛子(ベース)

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今回作る唐辛子のベースとなるのは唐辛子、山椒、陳皮、麻の実、けしの実、青サ、黒ごまの入ったオーソドックスな七味唐辛子。

これで七味。

百味まであと九十三味。

以下百味唐辛子の素材となる食品を書いていく。

材料の名前の横にある()の中に書いてあるのは新たに得られた味で、味がだぶった場合は書かない。

 

 

 

まずは調味料類

塩コショウ(食塩、コーングリッツ、黒こしょう、ローストガーリック)

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一般的な調味料。

塩コショウだけでなくガーリックなども入っているため、割と多くの味を稼ぐことができた。

 

カレー粉(コリアンダー、クミン、ターメリック、カルダモン、オールスパイス、シナモン、フェヌグリーク、フェンネル、白コショウ、ナツメグ)

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粉末状のカレー。

だぶったので書かなかったが、唐辛子と黒こしょうも入っている。

なのでこれ一本で十二味唐辛子と呼べなくもない。

 

バジル、パセリ(バジル、パセリ)

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普通のバジルとパセリ。

 

かつお節(かつお節)

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普通の花かつお

 

クレイジーソルト(岩塩、タイム、セロリ、オレガノ)

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初めて使う調味料。

一流レストランの隠し味であるとのこと。

 

五香粉(八角、花椒、クローブ)

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これも今まで全く使ったことがなかったのでよく知らない。

商品の説明によると中国独特のスパイスミックスであるとのこと。

香りが強い。

 

角砂糖(グラニュー糖)

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説明不用。

甘い。

 

調味料から取れた味は二十五味。

これまででたったの三十二味。

○○の素をつかってみるのはどうか

 

○○の素という便利なものがある。

それでやさいをいためたり、お湯で溶かしたりするだけでそれなりにおいしい料理を作ることができる商品だ。

こういったものにはさぞかしたくさんの調味料を使っているのだろうと思って原材料を確認。

案の定大量の素材がそこには眠っていた。

幸いチャーハンの素などの類は家に元々いっぱいあったので今回の企画に利用することにした。

 

チャーハンの素(粉末しょうゆ、乳糖、ポークエキス、オニオンパウダー、焼豚パウダー、ネギパウダー、味付け豚肉、玉ねぎ)

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ご飯と卵を用意するだけでチャーハンを作ることができる便利な商品。

豚が三味かぶっているが気にしない。

 

うどん・ラーメンスープの素(ブドウ糖、昆布、もやしエキス、メンマパウダー、粉末魚醤)

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うどんは醤油かめんつゆをかけて食べるのが好きなのでうどんを作るときはあまり使わなかった。

ラーメンスープのもとには もやしエキス と メンマパウダー という大変気になる原材料が使われている。

 

洋風スープの素(野菜エキス、ビーフエキス、チキンエキス)

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コンソメ味。

カレーを作るときにも入れることがある。

 

○○の素系統の合計は十六味。

合計四十八味

 

 

 

 

ふりかけも使ってみよう

ネタ切れ感が漂ってきた。

そういえば、ふりかけ類もたくさん調味料を使っていそうだ。

調べてみると確かにいろいろな材料を使っていたが今までの素材とダブっているのが多かった。

おにぎり用ふりかけ二種(赤じそ、梅肉、大根葉)

 

 

お茶漬けの素(あられ、抹茶、天草)

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ふつうのお茶漬けのもと。

甘味料として天草を使っている。

ふりかけ系は六味。

合計五十四味。

 

粉末状であれば何でもいいのでは?

よく考えれば、今まで調味料という枠組みにとらわれていたのかもしれない。

要は粉末状であれば無理やりでも混ぜ合わせることができる。

幅を広げれば新たな発見もあるはずだ。

 

インスタントコーヒー(コーヒー豆)

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インスタントコーヒーなのでコーヒー豆以外にも添加物とかいろいろ入れているのかと思ったら、混じりけのない本物のコーヒーだった。

ちなみにブラジル産らしい。

 

煎茶(煎茶)

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調味料で使う人もいるらしいので別にはずれでもないはず。

 

ウーロン茶(烏龍茶、オリゴ糖、紅茶)

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インスタントのウーロン茶。

ウーロン茶なのに紅茶が入っているのもポイントが高い。

 

麦茶(大麦)

 

なんとなく夏が来たなと思う。

 

ココア(ココアパウダー、ココアバター、全粉乳、ミルクラム)

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ただのココアの粉。

 

パン粉(パン)

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かなり前ハンバーグを作った際に購入したものが残っていた。

 

粉末は十一味。

合計六十五味。

 

そもそも粉末状にこだわる必要すらなかった

そもそも乾燥したものならば砕けば粉末状になるので別に粉末状にこだわる必要すらなかったのである。

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手で砕くには手間がかかるのですり鉢を用意した。

 

せんべい(えび、いか、玄米、イカスミ、たら、オキアミ、わかめ、みりん、かに、ひじき、落花生、ホタテエキスパウダー、カタクチイワシ、はちみつ、さつまいも、酢)

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なるべく多くの材料の入ったせんべいを、と思っていたが期待以上のせんべいを発見。

えびやみりんはまだわかるが、イカスミやオキアミまで入っているという充実ぶり。

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これをすり鉢でつぶす。

 

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すりつぶした様子は塩コショウに見えなくもない。

 

ポテトチップス(じゃがいも)

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世の中にはポテトチップスをご飯にかけて食べるような人もいるので、これだけでも一つの調味料といえなくもない(と思う)。

 

果物飴、のど飴(水飴、イチゴ果汁、レモン果汁、グレープ果汁、メロン果汁、黒砂糖、カリンエキス、ハーブエキス、梅果汁、キンカン果汁)

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粉末という枠を外したことを少し後悔した。

明らかに浮いている。

 

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すり鉢でも歯が立たなかったのでハンマーを使って割る。

 

 

見た目はきれい、見た目は。

 

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カシューナッツ、ピスタチオ(カシューナッツ、ピスタチオ)

酒のつまみによくあるやつ。

すりつぶすとそれなりに調味料らしくなる。

 

うなぎパイ(うなぎ粉)

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夜のお菓子。

何か月も前に知り合いからお土産としてもらっていたが、今になって発見された。

発見されていた時にはすでに粉末状になっていた模様。

 

うまい棒(チーズパウダー、クリーミングパウダー、トマトパウダー、ソースパウダー、サラダパウダー)

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代表的な五つの味を選んだ。

やわらかいので素手でも握りつぶせた。

 

 

三十四味。

合計百味。

 

 

後は混ぜるだけ

 

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これだけの調味料が揃うと壮観。

調味料の全校集会とかにも見える。

中央にあるのは主役の七味。

そしてまぜると……

 

 

 

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出来上がり!

結構見た目は普通の唐辛子らしくできた。

だがこれこそ調味料の王様百味唐辛子である。

ところどころ見える大きな塊はおそらく飴の破片だ。

 

試食

出来上がった百味唐辛子の味は……

 

 

……思ったよりもおいしい!?

辛いことはからいのだが、割とマイルドな辛さに収まっている。

もう一口たべてみる。

にがい!?

どうやらコーヒー豆の塊にあたってしまったようだ。

 

一口目と二口目で全く味が違うとはどういうことだ。

ギャンブル性がある調味料なんて聞いたことがないがこれはこれで面白い。

 

 

 

 

色々なものにかけてみよう

無限の可能性を秘めた百味唐辛子。

色々なものにかけて百味唐辛子の可能性を模索する。

 

素うどん

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唐辛子をかけて食べる料理といえば、やはりうどんが代表的である。

今回作ったうどんは普通の冷凍の面とめんつゆを組み合わせただけの完全な素うどん。

普通に食べてもそれなりにおいしいが何か物足りない。

そこで百味の出番である。

 

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なんだか写真では鳥そぼろを乗せたようにみえるが、鳥そぼろではなく百味である。

早速食べてみる。

 

 

おいしい!

なんだか期待をいい意味で大きく裏切ってくれた。

確かに辛いが、なんとなくカレーうどんに似ている味がする。

カレー粉を入れているから当然と言えば当然である。

そういえば百味の中にはうどんスープの素も入っている。

うまく材料が機能してくれた。

 

焼き鳥

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私自身は焼き鳥にはしょうゆだれか塩コショウをかけるので、七味をかけない。

しかし七味を焼き鳥にかけることは結構一般的なものだそうだ。

もしかしたら焼き鳥を食べるときにしょうゆだれかしおだれか、あるいは七味で迷う人がいるかもしれない。

 

だが、安心してほしい。

百味唐辛子には醤油、塩、こしょう、七味すべて入っている。

もう、何をかけるのか迷う必要はない。

 

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スパゲッティ

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話は突然変わるが、皆さんペペロンチーノをご存じだろうか?

ペペロンチーノは唐辛子とニンニクを使ったイタリアの代表的パスタ料理のひとつであり、日本でもよく食べられている。

ペペロンチーノとはイタリア語で「唐辛子」という意味である。

つまり、この百味を素スパゲッティにかければペペロンチーノが出来上がるはずである。

バジルやニンニクなどそれらしいものも百味には含まれているのでたぶん大丈夫だ。

 

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ペペロンチーノ(仮)のできあがり。

ペペロンチーノというよりはミートスパゲッティのような外見である。

そして味は……

 

辛い!

これはかなり辛い。

辛すぎる。

 

このように百味唐辛子は当たり外れの激しい調味料のようだ。

なんとか残りをおいしく食べる方法はないかとペペロンチーノについて調べてみるとある事実が判明。

ペペロンチーノの正式名称はスパゲッティ・アーリオ・オリオ・ペペロンチーノという。

ペペロンチーノは唐辛子、アーリオはニンニク、オリオはオイル(オリーブオイル)という意味だという。

ニンニク→ 入っている

唐辛子→ 入っている、死ぬほど

オリーブオイル→×

 

そうか、オリーブオイルをかけるのを忘れていたからだ。

 

 

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オリーブオイルをかけて準備万端

味は

 

 

あれ?おいしくなっている?

「やっぱり辛い」などの言葉を用意していたのだが、さっきに比べると全然辛くなかった。

実はこれはオリーブオイルの手柄ではなく、百味唐辛子に入れておいた飴玉が原因である。

皿の底にたまっていた飴が唐辛子の辛さをうまく中和してくれたらしい。

はっきり言って飴はネタとして入れておいたのだが、ここまでうまいこと機能してくれるとはやはり百味唐辛子は奥が深い。

 

わらび餅

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こども「きょうのおやつはわらびもちだ」

 

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こども「あれ、きなこがないよ」

 

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はは「ひゃくみならあるよ」

 

結果最悪の相性であった。

 

 

百味唐辛子を持って出かけよう

せっかく百味なので、屋外でも活用することにした。

食堂で

 

お昼過ぎの食堂で。

おしゃべりしている女子や、外にはギターなんかを弾いている男子までいる。

今日は百味唐辛子を使って少しリッチな(冗談抜きで作るのに結構金がかかっている)お昼を楽しむことにする。

 

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かけそば、カレーライス、冷奴。

合計三百円にも満たない質素な昼ごはんも

 

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このとおり。

 

辛い!と思ったら飴の味が来て甘いと思ったら辛くて苦かったり。

スリリングな昼食を楽しんだ。

 

 

 

まとめ……夢はかなえてみるものだ

予想としてはまずい唐辛子が出来上がるだけとおもっていたが、予想に反してわらびもち以外は割と合った。

特に地雷だと思っていた飴がうまいこと百味のスパイスになっていたのがよかった。

 

冒頭にも書いたがこの百味唐辛子を作ることは子供のころの不満から生まれたものである。

くだらないことだがこれを作ることは夢だったのだ。

しかし、子供のころは自由が利かず、その夢は今まで持ち越しとなっていた。

こんなことやってもどうしようもないと言えばどうしようもない。

 

子供のころは「あれをやってみたい、これをやってみたい」ということがだれにでもたくさんあったはずだ。

せっかく大人になったのだから「子供のころに戻りたい」なんで言わず、大人になって得た自由を謳歌しようと思う。

ちなみに言っておくが、今回百味をかけた料理は すべて残さず食べた

 

 

 

 

打ち上げ

アイスクリーム屋で

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撮影も終わった。

よし今日は少し高いアイスを食べよう。

 

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わーい!マスクメロンとベリーベリーストロベリーだ!

 

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当然百味……

 

 

 

 

 

(ニシカゲ)


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ニシカゲ

陰の者



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