東京ひとりぼっち率調べ

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東京ひとりぼっち率調べ (マツバラ)


夏休み。みんなで行った海水浴。みんなで行った遊園地。

 

一人で行ったって、いいじゃない。


 

 

 

気が付けば8月も下旬になってしまいました。

 

無駄に休みが長い学生の方も、お盆休みしか休みが取れなかった社会人の方も、

いかがでしたでしょうか、今年の夏。

 

 

私は、何もしませんでした。

何かをしようにも、一緒に何かをしてくれる友がいなかったのです。

 

 

 

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地元を離れ単身上京し大学に入学して以来持ち前の人見知りを遺憾なく発揮した私には
上京から1年たった今も気軽に買い物に連れ立てる友人が一人もいないのです。
まともに友達すら作れない奴に勿論恋人などというものができるはずもなく。
世にいうぼっちというやつです。

 

 

いや違う、私は友達ができないのではなく、無駄に交友関係を浅く広くしたくないから友達を作らないだけなのである

 

などと自分に言い訳をしながら、自宅・バイト先・自動車教習所のループで夏の大三角形を描く日々。

 

 

私は考えました。

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おかしい。

 

一人だからって買い物に行ってはいけないわけではない。

海に行って泳いではいけないわけではない。

 

それでもそれらの場所で一人でいることに何か抵抗を感じてしまうのが世の運命。

 

 

全てはこの世の風潮が悪いのです。

友人が多いことを良しとし、友達が少ないこと、一人で行動することが嘲笑されるようなこの風潮が。

 

 

一体どれほどの人がこの悪しき流れに果敢にも逆らい、一人でいることを恥とせず行動できているのでしょうか。

 

 

そこで私は決意したのです。

 

 

この夏休みというどんな観光スポットも賑わう時期、各観光スポットに一体どれくらいの割合でひとりぼっちがいるかを計測してみようと。

 

 

 

 

 

●計測方法

 

用意するもの:数取器(カウンター) 2つ

 

① 右手のカウンターで総人数をカウント

② 左手のカウンターで①のうち一人で行動している人のみをカウント

③ ②÷①×100をしてひとりぼっち率を算出

 

 

 

 

 

●実際に計測してみる

 

私マツバラが東京在住ということもあり、東京近辺で夏に人でにぎわいそうなスポットを幾つかピックアップし、計測の対象場所としました。

 

 

スポットその① 渋谷ヒカリエ

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既に商業施設で飽和状態の若者の街渋谷に今年四月に現れた新たな刺客、ヒカリエ。
建物自体は34階建てですが、今回は一般の人が買い物を楽しめるB3~5Fまでを一通り巡り、

人数をカウントしていきます。

さらに買い物中は二人連れで来ていても個々に好きなものを見ているかもしれないので、
ショップ内にいる人ではなく通路にいる人たちを重点的にカウントの対象とします。

 

 

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夏休みということもあってか、どのフロアもかなり混雑していました。

主に女性客が中心のようです。 

 

 

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そんな華やかな乙女たちの群れを裂くように、野鳥の会よろしくカウンターを鳴らしながら歩いていきます。

 

しかし数えるのは野鳥に非ず。

 

 

 

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さすがに両手にカウンターを持って歩くのは不審なので、上記図のようにポケットにカウンターを隠して歩きました。
きっちりすべての人をカウントする、というのは難しいので、
ひとりぼっちも二人以上も目に入る確率は同等ということにして、目に入った人をなるべく全てカウントしていきます。

 

 

 

B3~5Fの全フロアを一周して、1時間が経過。カウントの結果は、

 

 

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(私の撮影技術の不足で見えにくいことはご了承願いたい。)

 

 

総カウント人数565人、そのうち、ぼっちの数が108人で、ぼっち率19.11%でした。

ほぼ5人に1人はぼっち客の計算になります。

買い物程度なら一人で来ることに躊躇いのない人が多い模様。

 

さくっと次へ行きましょう。

 

 

(※以下同様に、写真右が総人数、左がぼっち数です)

 

 

 

 

スポットその② 新宿バルト9

 

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夏休みであるなしに関係せず映画館は人の集まる場所。
ここのぼっち率はいかがなものか。

 

 

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フロントにはたくさんの人が。
中にはぼっちらしき人々もいますが、今回の目的場所はフロントではなく、劇場内です。

映画館内という場所柄、パシャパシャと写真を撮る事が憚られた為、以下絵でお伝えします。

 

 

 

 

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入場前のチケット確認でいきなりカップルに挟まれました

 

ひとりぼっちが避けては通れぬ精神的苦痛の洗礼。

幸せ者同士に挟まれて、まさに白(彼らの美しき純愛)と黒(私の心情)のオセロ状態。

いや、むしろ本当にオセロだったらよかったのに。

オセロのようにひっくり返されて私もリア充になれるなら、どんなにいいだろうか。

 

ひとまず入場。

 

 

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おわかりいただけるだろうか。暗闇に光る鋭い眼。私です

なるべく早く劇場内に入り予約した最後列の隅の席に陣取って、場内に入ってくる人たちを、ぼっちか否か見極めていきます。

 

ちなみに今回見た映画は「おおかみこどもの雨と雪」。
これなら子供連れから普通のカップルまで色んな年齢層が見に来るはず。
決して私が単純に見たかったからとかではありません。決して。

 

 

人数は入退場の際にカウントして、あとは映画を見ているだけだったのでヒカリエほど労力は要しませんでした。
さて席数80席に対し空席4席、気になるぼっち数は

 

 

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18人でした。18÷(80-4)×100=ぼっち率23.68%です。

 

映画のジャンルによってもぼっち率は変動するでしょう。
おそらく観た映画が「エイトレンジャー」とかだったら、もっとぼっち率は下がっていたかもしれません。

知りませんけど。

 

 

 

 

 

 

スポットその③ 東京タワー

 

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映画や買い物は正直一人でも苦にならない人が多いはず。
ここから少しずつぼっち難易度をあげていきます。

 

今や東京のランドマーク的地位をスカイツリーにすっかり奪われてしまった彼。
タワーといえばどちらかというと恋人同士で来るイメージがありますが、ぼっち率はいかに。

 

 

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インパクトはスカイツリーに奪われたとはいえ、観光スポットとしてはまだまだ現役の様子。

出入り口付近もそこそこ人がいます。

 

しかし地上階の人数をカウントしに来たわけではありません。

 

 

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謎の一人ぼっち女、展望台へのチケットを買う。

 

 

 

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地上150mの大展望台へと到着。スカイツリーが何だとでも言うように人で賑わっています。

当たり前ですが誰もが外の景色に夢中で、背後で謎の女が自分のことをカウントしているなど気づきません。

 

しめしめ、数え放題だ。

 

とは思いつつも、

 

 

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カタカタと鳴るのはカウンターの音か、私の足のふるえか。

ご存知の人も多いでしょうが、東京タワーには地上150mの大展望台よりさらに上の地上250mに特別展望台もあります。

が、今回は行きませんでした。行けませんでした。お察しいただきたい。

 

さて計測結果は、

 

 

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総人数370人、ぼっち数15人、ぼっち率4.05%でした。
やはりヒカリエやバルト9に比べ急激にぼっち率が下がります。

ひとりぼっちの人の傾向としては、外国人観光客の方が多かったような気がします。
東京タワー行きたいけど一人はちょっと恥ずかしい、なんて方は、アジア系外国人のふりをすることをオススメします。

 

 

 

 

 

 

スポットその④ 江ノ島片瀬海岸

 

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次のスポットは海です。

やはり海と言えば夏の醍醐味。ぼっち率計測にはもってこいの場所です。

 

調査の場所は東京をやや離れ、江の島まで足を運びました。

完全なる徒労と交通費の無駄感がたえません。

 

 

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しかしまあお盆過ぎの平日だというのに、ビーチは4~5人連れの男女で非常に混雑していました。なんと破廉恥な。

 

 

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そんな真夏のイケナイ太陽が燦々と降り注ぐ砂浜に最もそぐわない私の姿。

水着で肌を最大限まで露出した男女の間を日焼け対策完全防備で一人歩きます。

 

 

嗚呼、海の家の兄ちゃんたちの視線が痛い。

 

 

海の家の人「お姉さん、もしかして何か探してるのー?」

 

 

 

ええちょっと、ひとりぼっちを探しています。

 

 

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砂浜後方からの風景は一部こんな感じで、遊泳中どころか砂浜の人数さえ全てを測ることは無理でした。あしからず。
その分ひとりぼっちには十分目を凝らしながら砂浜を端から端へとカニのように歩きました。

 

 

結果は、

 

 

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総人数534人、ぼっち数24人、ぼっち率4.49%

ちなみにこのぼっち人数は全て砂浜の中でも後ろの方で肌を焼くために寝ていた人々です。
海に行きたいぼっちの諸君、水中は水を掛け合って遊ぶ恋人たちの巣窟です。

悔しい思いをしたくなければ泳ぐのは諦めて肌だけ真っ黒にして帰りましょう

 

 

 

 

さて、次が最後のスポットです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ポットその⑤ 東京ディズニーランド

 

おそらく一人で行くという発想が一番出にくいであろう遊園地の類。
その遊園地・テーマパークの王者として舞浜に君臨するのがかの夢の国、ディズニーランドです。

 

ひとりぼっちを極めし者達が、このファンタジーテーマパークにも集っているはず。

 

 

探そうではないか、同志を。

 

 

 

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とはいえ敷地内は広すぎる。
そこで、とりあえず1時間あちこちをぐるぐるして人数を数えます。

パレードやアトラクションのキャストはもちろん、話によると清掃員のキャストもゴミ箱と会話したりと、
掃除をしながらも観客を魅せるというディズニーランド。
さすが夢とエンターテイメントの最高峰です。
辺りの人々はみなすっかりファンタジーの世界に入り浸っています。

そんな中何が楽しくてかひとりぼっちを探して歩く不審なひとりぼっち(私)。
カウンターの鳴る音がさらに不審度と不愉快度をあげます。

 

 

園内は子守疲れで寝るお父さんや迷子があちこちに蔓延り、誰が一人で誰がそうでないのか判別しづらい状況。
慎重に一人ぼっちを見極めながら園内を歩きます。

 

 

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計測をしていると途中でパレードが始まった模様。
イッツアスモールワールドの曲に合わせて色とりどりのディズニーキャラクター達が目の前を通過していきますが、もちろんカウントはやめません。

 

 

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パレードに消えるカウンターの音。心なしかリズムに乗ったような軽快さ。

しかしそれを聞くのは私だけ。
そこには夢にも浸りきれぬ悲しい現実主義の女の姿があるのみです。

 

パレードの途中で1時間が経過したので、計測終了。

結果は・・・

 

 

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総人数1383人中、ぼっち数22人、ぼっち率1.59%。
さすがはディズニー、ぼっちの達人たちも来園を尻込みしているようです。

しかし親子連れと恋人同士が蔓延るこの夢の世界に単身乗り込んだ人の精鋭たちがいることも事実。

 

 

22人の精鋭たちよ、あなた達こそ真のひとりぼっち戦士である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

image (27) ディズニーの本気は昼間で終わるほど甘くはない。 もちろん夜もカウントさせていただく。 夜は昼との比較の意味を込めて、昼の総人数人に達するまでカウントすることにします。

 

園内を一周すると昼間との人数の差は明らかでした。

しかしこれは皆帰ってしまったためではなく、エレクトリカルパレードが始まる前に買い物とアトラクションをすませておこうという魂胆であったようです。

 

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エレクトリカルパレードが始まる15分前にもなるとパレードの沿道は人で埋まってきました。

 

 

なるべくみんながパレードに夢中になっている間に数えやすいように、人だかりの最後列でスタンバイします。

完全に私の中では優先度がぼっちカウント>>パレード見物となっていたのです。

ディズニー側としては迷惑な話です。

 

 

 

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先述のとおり、総人数が昼間と同じ1383人に達したところで計測終了。

ぼっち数は14人、ぼっち率は1.01%でした。

 

最初のヒカリエに比べここまでぼっち率が下がったことも驚きですが、

何より驚くべきは14人のうち4人は明らかに仕事帰りのサラリーマンの風貌であったことです。

遊園地に一人で来ているという時点でかなり珍しいのに、彼らはわざわざ仕事終わりにエレクトリカルパレードを楽しむのです。

なんとスタイリッシュなアフター5でしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●まとめ

 

今回計測したぼっち率をグラフにすると以下のようになります。

 

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一番ぼっち率が高かったのが新宿バルト9、一番低かったのが夜のディズニーランドでした。

 

同じ「暗いところで明るいものを見る」という行動に対してもここまで差が出ました。

 

 

 

しかしどの場所での計測においても言えることは、ひとりぼっちの人は皆堂々としているということです。

 

最後のディズニーランドにいたサラリーマンにしても、誰も自分がひとりぼっちであることを恥ずかしそうにしている人はいませんでした。

 

 

私は冒頭で「この世には友達が少ないこと、一人で行動することが嘲笑される風潮がある」といいましたが、

結局一人ぼっちを嘲笑するのは他人ではなく、

一人ぼっちである本人が自分自身を「恥ずべき存在」とみなす価値観なのです。

 

 

みなさん、一人でいることをゆめゆめ恥と感じることなかれ。

 

 

今こそひとりぼっちであることに誇りを持つぼっち戦士となるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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まあでも友達がいるに越したことはないな・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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マツバラ

君とひとりぼっち



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