ニシカゲの『100均と私』 第1回

1 角砂糖

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 このホームページで記事を書くにあたって、百均にはかなりお世話になっている。撮影の際とりあえず形だけ物が必要になった時に百均に行けばだいたいのものが手に入るからだ。 

  角砂糖は私が初めて記事を書いた「カラオケで100点取るまで『君が代』を歌う」で使用した。歌手で歌う前に砂糖を食べる人がいるという話を聞いたことがあったので砂糖を使うことにしたが、普通のを買うと少し高かったので「どうせ一回限りだ」と考えて百均で売っていた量の少ない角砂糖を買った。 

 撮影が終わり、記事も無事完成したのでお役御免と思われた角砂糖であったが量が少ないとはいえまだ大量に残っていた。元々コーヒーや紅茶を入れたりしないため、角砂糖を使う機会がなかったため次の記事の撮影にも使うことにした。 

 その記事が「青春賛歌~鴨川のカップルをカウントせよ~」である。今見るとかなり無理やり角砂糖をねじ込んでいるのがわかるがこういう事情があったからだ。しかしまだ角砂糖は残っていたのでその次の記事にも使うことにした。 

 その記事が「究極で至高の調味料!百味唐辛子を作れ!」である。この記事は、従来の七味唐辛子にありとあらゆる調味料をぶち込み、百味唐辛子にパワーアップさせるという企画だったが、恐ろしくて手間と時間がかかったうえに評判もあまりよくなかった。これにも角砂糖をつかっている。ちなみに「バースデーケーキにろうそくは何本立つか」で作ったケーキのクリームの中にもこの角砂糖が入っていたりする。 

 最初に書いた通り、「どうせ一回限りだ」と軽い気持ちで買ったのに、なかなかなくならなかったため、その後の記事にだいぶ影響を与えることになってしまった。しかも、半年以上たった今でも家に残っており、正直もてあましている。誰か角砂糖を使った簡単にできる美味しい料理の作り方とか知りませんか?

 

 

2 勇者の剣(おもちゃの剣)

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百均ではよく分からない変なおもちゃが売られている。「勇者の剣」というのもその一つで、プラスチック製の安っぽい剣の形をしたおもちゃだ。たぶん子供がチャンバラみたいなことをして遊ぶためのおもちゃなのだろうが、私は高校生の頃ダイソーでこの「勇者の剣」を買ったことがある。別に単なる遊びや暇つぶしではなくちゃんとした理由があってだ。

その理由は学校の文化祭で使うためだ。私は当時委員会の活動で手作りのハンカチや鍋敷きを売ることになった。文化祭当日の朝、体育館のステージでそれぞれの委員会や部の人間が自分たちの出し物のPRをする時間が与えられることになっていたが、毎年そこで生徒たちが笑いを取るというのが通例になっていた。私の委員会からも二人がPR係に任命され、その一人が私だった。

しかし私の相方は「俺は普通にPRするから横で笑いを取ってくれ」とすべてを私に丸投げにしてしまったのだ。 何をするのか全く決まらないまま文化祭前日を迎え、たまたま立ち寄ったダイソーで「勇者の剣」を見つけてしまった。緊張と不安でよく分からないことになっていた私の頭は「これならいける」と誤った判断を下してしまう。隣で相方がスピーチをする中で、この剣をぶんぶん振り回していれば笑いをとれるだろうと考えたのだ。ダイソーから自転車で帰宅する私の頭の中では明日の文化祭で成功している様子で埋め尽くされていた。体育館が爆笑に包まれ文字通り勇者となる様子が。

しかし、当日私は臆病風に吹かれ「やっぱり滑るだろ」とか「こんなものを学校に持っていくのは恥ずかしい」などと思いだし、結局家に置いていくことにした。 丸腰で挑んだPRはどうなったかと言うと、実はあまり覚えていない。ただ、その後泣きそうになりながら倉庫の隅で一人焼きそばを食ったことだけは鮮明に記憶に残っている。「あの時勇者の剣を持っていけば勇者になれたのかな」と私は今でも時々思い出すのである。 

 

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