サボテンちゃん

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サボテンちゃん (ナルヒラ)


砂漠に生えている一茎のサボテン、「サボテンちゃん」に悩みを打ち明けよう!


 

 

 

 

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resize1752ふむ、このサボテンが我が村に伝わる伝説のサボテン、
「サボテンちゃん」か……。
言い伝えによると、サボテンちゃんに悩みを打ち明けるとどんな悩みでも名探偵を前にした密室殺人事件のようにあっさりと解決するそうな。
村長であるわしも実物を見るのは初めてだが、これも何かの縁だ。悩みを聞いてもらえるかな、サボテンちゃん。

 

 

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resize1752わしは幼いころから歴史上に名を残し、全世界にその名を知らしめ、誰からも尊敬される偉大な人物になることに憧れておった。
しかし、残念ながらわしにその器は無かったようである。

先の戦争で軍人として武功を上げ、国を代表する偉人になるのだと意気揚々と軍に所属した矢先に、我が国は敗れた……。

 

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resize1752目標を失ったわしは、すごすごと帰郷したものの何をするにも身が入らないまま、あてもなく家出した未就学児のごとく途方に暮れていた。
それでも自分を奮い立たせ、村の発展に尽力すること五十余年……。
村の発展に人生を捧げたことは誇りに思っておるし、信頼のおける仕事仲間や気の置けない友人、長きにわたってわしを支え続けてきてくれた家族にはこの上なく感謝しておる。
ただ、どうしても心残りなのだ。
わしの残りの寿命もさほど長くはあるまい。
わしを誰からも尊敬される偉大な人物にはなれんのだろうか……。

 

 

 

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resize1752 こんな年寄りの漬け物臭い戯言につき合わせてしまって申し訳なかったな、サボテンちゃん。
様々な人間の悩みを聞かされるなんてたまったものじゃないだろうが、一人でも多くの人の悩みの捌け口となり我々にポジティブな影響を与えてくれることを祈るよ。
それではな。

 

 

 

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resize1757み、見つけたぞ……サボテンちゃんだ!
君に僕の悩みを打ち明けたら、その悩みがどんな悩みでも名探偵を前にした密室殺人事件のようにあっさり解決するんだよね……
よーし……

 

 

 

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サボテンちゃん。
実は僕にはずっと前から好きな子がいるんだ。
その子はね、髪は短く切り揃えていてちょっぴり明るめ、
いつもニコニコしていて、僕みたいにおどおどしているやつにも親しみやすく接してくれるとってもかわいい子なんだ。
ラムネのようにぱちぱちと弾けるその子の爽やかな笑顔を見られるだけで、僕は今日も一日頑張ろうって気持ちになれるんだよ。

 

 


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resize1757でも、最近になって分かったことなのだけど、どうやら彼女には他に好きな人がいるみたいなんだ。
もしかして僕のこの秘めた熱意はあの子に届かないのかなあ……。 
だとしたら、僕は苦しいよ。生きてたってなんの意味もない……。
そのくらい、その子のことが好きなんだ。
なんとかならないかな、サボテンちゃん……。

 

 

 

 

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サボテンちゃん、悩みを聞いてくれてありがとう!

いや、こんな他力本願なことやってるだけじゃあだめだよね……。
自分でも状況を変えるための努力をしないと!僕、頑張るよ!
それじゃあ!

 

 

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resize1753たしか、このあたりのはずなのだけど……

……見つけた。あなたがサボテンちゃんね。
噂には聞いているわ。
あなたに悩みを打ち明けると、どんな悩みでも名探偵を前にした密室殺人事件のようにあっさり解決する、ってね。

 

 

 

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サボテンちゃん、私の悩みを聞いてほしいの。
悩みというのは、その……恋のことなんだけど……
私、好きな男の子がいるの。
その子はひどいくせ毛で目が隠れるほどの長い前髪をしていて、いつも自信無さそうにおどおどしているから一見するととても頼りない印象を受けるのだけど、何かこう、彼からは内に秘めているギラギラしたものを感じるの!
そこがものすごく魅力的で、何をしていてもその子のことが頭から離れないの。
あの前髪の奥には、この砂漠に降り注ぐ太陽よりも燦々と輝く瞳が隠れているに違いないわ!
きっとそうよ!

 

 

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resize1753こんなこと、直接その子に伝えられればいいのだけど、私は見ての通りの内気な乙女だから、その子と仲良くなるどころか声をかけることすらできないんだ……。
それに彼、どうやら他に好きな子がいるみたい……。
お願い、サボテンちゃん、なんとかしてその子を振り向かせることはできないかしら……。
それが無理でも、せめてその子が思いを寄せている女の子さえいなくなれば、私にもチャンスができるのに……。

 
 

 

 

 

 

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……私の悩みはこれで終わり。
本当にこれで悩みが解決するのかな?
私帰るね、サボテンちゃん。

 

 

 

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resize1756見つけたぞッ!
君があの有名な「サボテンちゃん」なのだなッ!
君に悩みを打ち明けたらッ、その悩みがどんな悩みでも名探偵を前にした密室殺人事件のようにあっさり解決するというのは本当かッ!?

 

 

 

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それでは早速ッ、俺の悩みを聞いてもらってもいいだろうかッ!
悩みとはすなわちッ、恋のことだッ!!
ご覧のとおりッ、俺は何事に対しても情熱的かつ全力で取り組むに熱血漢だッ!
恋に関してもそれは同じことッ!
このところッ、気になっている女性に猛アタックをし続けているのだがなかなかその女性は振り返ってくれないッ!
その女性は髪の毛を胸のあたりまでゆったりと伸ばしていて、とろんとしたたれ目が印象的な女の子なのだッ!
その容姿もさることながらッ!
あぶらとり紙で鶴でも折るかのごとくもじもじとする姿はこの上なくいじらしくッ、そんな彼女を見た瞬間ッ、俺は彼女の虜になってしまったのだッ!!

 

 

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resize1756それどころか、どうやら彼女には他に好きな男がいるらしいのだッ……。「この燃える心よッ、彼女に届けッ!」と言わんばかりに彼女に言い寄ってみても一向にこちらに興味を見せるそぶりを見せてはくれないッ……。
サボテンちゃんッ! 何とかして俺と彼女を結び付けることはできないのだろうかッ!
それが無理だとしてもッ、彼女と彼女が思いを寄せる男が結ばれることだけは避けて欲しいのだッ!

 

 

 

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今日は俺の悩みを聞いてくれて感謝するぞッ、サボテンちゃんッ!
さらばだッ!

 

 

 

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resize1754あっ、この子が「サボテンちゃん」なのね!
こんにちは、サボテンちゃん!
こんなに暑い砂漠の真ん中で田舎のバス停みたいにポツンと立ってるなんて大変ね。
あなたに悩みを打ち明けたら、その悩みがどんな悩みでも名探偵を前にした密室殺人事件のようにあっさり解決するってほんと?

 

 

 

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えー、コホン。
それではわたしの悩みを打ち明けます。
その悩みとは……ズバリ、恋についてです!
実はわたし、ずっと前から好きな人いるんだ。短髪で爽やかなその人はね、

何をするにしても燃え尽きることの無い熱い心が燃えたぎっていて、年がら年中からエネルギッシュだから、村にはちょっぴり暑苦しいなって感じてる人もいるみたい。

 

 

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resize1754でも、わたしはそんな互いに愛し合う男女が踊るスペイン舞踊みたいに情熱的な彼が大好きなの!
ちょっとでも彼の気を引こうと必死になっちゃって、彼の前では空回りしちゃうこともよくあるけど、楽しくおしゃべりできるように、っていつもニコニコしてるの。
とは言ったものの、彼の言動や行動を見る限り、どうやら他に好きな人がいるみたい……。

わたしの砂漠のオアシスのように決して枯れない愛は彼に届くのかな。
もし今後もずっと、彼がわたしを見てくれないのなら、わたし……辛過ぎて、生きていけない。

 

 

 

 

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わたしの悩みはこれでおしまい!
サボテンちゃん、今日はありがとね。
バイバイ!

 

 

 

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 resize1758やあ、サボテンちゃん。
なんでも、君に悩みを打ち明けたら、その悩みがどんな悩みでも名探偵を前にした密室殺人事件のようにあっさり解決するらしいじゃないか。
今日はオイラもその恩恵に預かりたいな、と思ってここまで訪ねてきた次第なんだ。

 

 

 

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 悩みというのは他でもない、やっているお仕事に関することさ。
オイラは村で新聞記者をやっているんだ。
オイラの書く新聞記事は絶妙に風刺が効いていて読みやすいとなかなか評判が良くてね、楽しみにしてくれている人も結構な数がいるらしいんだ。
けれど、誰が望んだところで毎日毎日皆の興味をそそるショッキングなニュースが起きているとは限らないでしょ?
だから、どれだけ読者が楽しみにしてくれていても、ネタが無いんじゃあオイラもセミの抜け殻みたいにじっ、としているほかないのさ。

 

 

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resize1758もちろん、オイラとて新聞記者の端くれ、嘘の新聞記事をねつ造することはプライドが許さないわけだ。

そこで、この上なく不謹慎であることは承知の上なのだけど、ここ最近、多くの人が興味を持つような大事件が起こらないことがオイラの悩みなんだ。世界中の人の耳に届くようなニュースを発信できたのなら、もうこの世に思い残すことなんて何もない。そのくらいの意気込みでオイラは新聞記事を書いているんだ。
サボテンちゃん、ここはひとつ君の力でそんな事件を起こしてみるつもりはないかい?
オイラ、風刺たっぷりの新たな新聞記事が書きたくてうずうずしてるんだよ。

 

 

 

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オイラの悩みはこんなところかな。 
まあ、君に言ったくらいで新聞記事のネタのなるような大事件が起きてくれたら儲けものなんだけどね。ははは。
それじゃあ日も沈みかけてきたところだし、オイラは帰らせてもらうよ。

 

 

 

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サボテンちゃん3 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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無題

 

 

 

 

 

 

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確か、このあたりのはずなのだが……。

おっ!

 

 

 

 

 

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resize1755見つけたぞ、君が噂に聞く「サボテンちゃん」だね。
君にとっては残念なお知らせなのだが、
今日、僕は
君を焼却しに来たんだ……。

 

 

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resize1755どうしてそのようなことになったのか、事の一部始終を話そう。

数日前、
私が警官として常駐している村の村長の奇妙な死体が発見された。

なんでも、その死体は
全身を無数のサボテンの棘で串刺しにされていたらしい。

 

 

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resize1755長きにわたって村の発展に尽力してくださった村長の働きは偉大だったと村の誰もが敬意を表し、謎の現象で命を落としてしまった村長のことを悼んだ。

そして、村長の死の翌日、さらにショッキングな事件が起きてしまった……。
その事件とは、
驚いたことに、
村に住む若い男女4人が村長と全く同じ状態で亡くなっていたんだ……。

 

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resize1755私は戦慄したよ……。
男の子が2人と女の子が2人、4人で寄り添うようにして砂漠の真ん中に倒れていて、全員が例外なく膨大な数のサボテンの棘で串刺しにされていたのだから、村のみんなは相当気味悪がっていたみたいだね。

しかし、事件はそれだけでは終わらなかったんだ。

 

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村のみんなが不安に駆られ、涙する中、ある男だけは「すごい……すごい……ものすごいネタだ……」などと興奮気味ににやにやしながらブツブツ言っていたらしい。
どうやらその男は村の新聞記者であったらしく、翌日の新聞には事件のことを取り扱った新聞記事が一面に載っていた。
その新聞記事が載っていた新聞はあくまでも小規模な地方紙のはずなんだけど、事件が風変わりだったせいか話題が話題を呼び、今となっては国内だけに飽き足らず、世界中でもちょっとしたトピックになっているともっぱらの噂だ。

 

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resize1755そして、昨日……
その新聞記者の男も死んでしまった。
もちろん、大量のサボテンの棘で串刺しにされて、だ。

 

 

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resize1755村のみんなは原因の解明と再発防止に躍起になっているみたいだけど、あまりにも予想外の出来事だからか、何をどうすればいいのかとうろたえているみたいだね。

その結果、みんなの半ばヤケクソ気味な再発防止の方法として
「村周囲に自生するのサボテン焼却」が提示されて、みんなの安全を守る私がこのあたりのサボテンを焼いてまわっている、というわけなんだ。

だからごめんよ、サボテンちゃん……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 メラメラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ……ふう、これで一安心だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

resize1755私はこの村に住むみんなが大好きだ。
村の中で何か問題が発生すれば一生懸命力を合わせて問題解決に取り組み、
都会での競争を勝ち抜くことができず、敗走するようにこの村に駐屯することになった私のようなよそ者でも暖かく受け入れてくれた。
そんな村のみんなの温情に応えたい……。
だから、私は村のみんなの安全な暮らしを守ると決めたんだ。

心は痛むが、
誰しも自分に害をなす可能性のある存在には厳しい対応を迫られるものなのだよ。
最終的には君を焼却することになってしまった私達を許してはくれないだろうか……。

まあ、今更こんなことを言っても仕方がないかな……。
サボテンちゃん、君の冥福を祈るよ。

それでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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サボテン 花言葉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ナルヒラ

ピエロと墓荒らしにご挨拶



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