実際スタバでMacを使っている人はどれくらいいるのか (マツバラ)
一部からおしゃれ気取りと揶揄されることも多いあの存在をカウントしてみました。
「ノマドワーカー」という言葉をご存知でしょうか。
ものの本によると「ノマド」とはフランス語で遊牧民という意味で、
ノマドワーカーは会社のオフィスでなく喫茶店などにパソコンを持ち込み
仕事をする人のことを言うんだそうな。
私はよく自宅最寄りの某ファーストフード店を利用するのですが、
そう言われてみるといつ行ってもなにやらパソコンで作業している人が1人はいるような。
しかし興味深いことに、
彼らはノマドワーカーなどとこじゃれた名前をつけられているにも関わらず
逆にそのおしゃれを気取った感じが鼻に付くという理由から
ネットでの評判は芳しくないのです。
その中でもネット住民たちは特に
スターバックスでMac Bookを利用するノマドワーカーがお気に召さない模様で、
目に障るといったコメントが沢山見られます。 (Togetter、NAVERまとめ)
なんというピンポイントっぷりでしょう。
それは裏を返せばここまで機種も利用店も限定されていながら
これだけの認知度があるということです。
では実際にスタバでMac Bookを使っているノマドワーカーって
どのくらいいるのでしょうか。
思い立ったが吉日。
カウントしてみましょう
●計測方法
用意するもの:数取器(カウンター)2個
① スターバックスに入店する
② 店内のお客の総数をカウンターでカウント
③ 店内でMac Bookを使っているノマドワーカーの数をもう一つのカウンターでカウント
●実際に数えてみる
都内にあるスタバ店舗をいくつかまわってノマドワーカーを探します。
またスターバックスでMacBookを使う人の中には社会人だけでなく
課題に追われる学生たちもいるでしょうが、
今回はまとめてノマド「ワーカー」とさせていただきます。
一店舗目:飯田橋(スターバックス神楽坂下店)
地下鉄飯田橋駅から地上に出ると交差点向かい側にすぐ見えるのがこの神楽坂下店。
何故飯田橋なのかと疑問の声もあるでしょうが、
この辺りには日本歯科大学、東京理科大学などたくさんの大学が集っているのです。
大学が多いということはつまりオシャレ気取りたがり屋さんの代表格ともいえる
大学生たちがこぞってスタバに集うはず。
そこを狙って早速入店します。
入るとすでにパソコンを使っている人の姿が見えました。
店舗が2階建てなため、適当に飲み物を買って席を探すふりをしながら
店内総人数とノマドワーカーをカウントすることにします。
と、ここで問題発生しました。
そういえばスタバなんて入ったことがない。
スターバックスと言えばメニューの複雑さで有名。
そもそもコーヒーを自発的に飲まないということもあり
わざわざスタバに入店する機会など私にはなかったのです。
まずい。ばれてしまう。
私がスタバすら入ったことのない田舎者であることが世間に露呈してしまう―――
しかし後には退けない状況。
どれにしようか迷うフリをしながら必死にメニュー表とにらめっこしてみます。
とはいいつつよく見ると種類も容器サイズも解説がきちんと表記されており、
恐れていた「何を言えばいいか1からわからない状況」は回避できそうです。
さっそく注文。
私「カフェモカのショートをアイスで」
店員さん「生クリームはどうしますか?」
『生クリームはどうしますか?』???????なんだそれは。その「どうする」というのは生クリームの量を聞いているのか、それともそもそも生クリームを付け足すか否かを聞いているのか?前者だとすると生クリームは既にこのカフェモカ(ショート)の値段に含まれているのか???迂闊に生クリームを頼んで倍額請求されることはないか????
私「あ、あの生クリームってのはどういう…」
店員さん「えっ」
私「えっ」
「「・・・・・・・・・」」
私「(今の質問)なしでお願いします…」
店員さん「了解しました。では生クリームなしですね」
私「(えっ)・・・お願いします」
誤解が二転三転しましたがなんとか注文完了。
商品が出来上がるのを待つ時間で1階の人数をカウントしておきます。
カフェモカが無事私の手に渡ったところで2階へあがりカウント開始。
カウンターをポケットに突っ込んで数えるため怪しさ倍増。
カフェモカは邪魔なのでとりあえず放っておきます。
私が欲しいのはコーヒーではない。Macユーザーのノマドワーカーです。
カウント自体は難なく終了しました。
一人で遊園地に行くわけでも海に行くわけでもないので
いつぞやの一人ぼっちカウントの様に精神的ダメージを伴いません。
結果は
総客数37人、Mac Bookノマドワーカー2人。
この人数が多いのか少ないのか、妥当な数字なのか否か現時点では全くわかりません。
ちなみにMac以外のパソコンを使うノマドワーカーも1人いました。
次のスポットへ行きましょう。
(※以降同様に左のカウンターがMacユーザー数、右が総客数です)
二店舗目:吉祥寺(吉祥寺東急店)
中野・高円寺と並びサブカルの街として知られる吉祥寺。
クリエイターの卵たちがスタバでMacを使っているかもと予想を立てていざ店へ。
吉祥寺は駅前にもいくつかスタバがありますが
東急百貨店内のスターバックスは広いオープンテラス席があり、
きっとたくさんの人が・・・
そうでもなかった。
寒かったためか外の席にはあまり人がいませんでした。
が、もちろん全くいなかったわけでもなく、また店内には
沢山のお客さんがいたので本日2杯目のカフェモカを頼んでカウントします。
結果は総客数が52人、MacBookノマドワーカーが3人。
(非Macノマドワーカー1人)
飯田橋よりも割合的にはやや少なめです。
サブカルクリエイター達はお家にひきこもっているのでしょうか。
三店舗目:大手町(大手町東京サンケイビル店)
雰囲気はがらりと変わってトップビジネスの街大手町です。
サンケイビル内のスターバックスはこれまでと違い
自動ドアをくぐっての入店ではなくレジカウンターが開放的な形になっており、
外から見ただけで人の数がすべて数えられる造りになっていました。
しめしめ、これでコーヒーを買わなくて済む。
意気揚々と店の周りのテーブル席をしらみつぶしにカウントしていきます。
ところがカウント人数が半分を超えたあたりである異変を感じ、
その異変はすべての客をカウントしたときに確信に変わりました。
総客数37人、MacBookノマドワーカー0人。
かろうじて非Macノマドワーカーは2人いましたが、
MacBookユーザーがまったくいなかったのです。
一流企業の集まるオフィス街大手町こそ飯田橋や吉祥寺以上に
スタイリッシュにノマドオーラを醸し出すビジネスマン達が
蔓延っていると思ったのに予想外の結果となりました。
四店舗目:渋谷(SHIBUYA TSUTAYA店)
渋谷駅を出てスクランブル交差点を渡ろうとすれば
誰もが目にするであろうこの店舗。
渋谷といえば若者の街という印象ですが、
実はIT系の企業が集まる地でもあるのです。
もしかするとスタバにもその手の企業のノマドワーカーがいるのでは。
とはいえなんだかんだで若者の街渋谷。
ナウでヤングなイケイケギャルたちがそこらじゅうをうろうろしています。
個人的に渋谷のごみごみとした秩序の無さは好まないので即刻移動したいところ。
なんだよこの店舗名も。ローマ字にすりゃいいってもんじゃないだろ。
ちょっと韻踏んでダジャレみたいになってるぞ。
心の中で理由なき悪態をつきながらカウントした結果、
総客数83人、MacBookノマドワーカー1人でした。(非Macノマドワーカー2人)
でした。
足早に次の場所へ移動します。
五店舗目:代官山(代官山蔦屋書店)
渋谷から東横線でたったの一駅の代官山。
何故こんな近接地を選んだかというと、
店名でお気づきかもしれませんが
このスタバも渋谷に同じくツタヤの中にあるのです。
ただし渋谷のTSUTAYAがレンタルCDショップならばこちらの蔦屋は本屋。
敷地内のいたるところでコーヒーを飲みながら読書をできるスペースがあるのです。
実はネットでの事前リサーチの際、
特にこの蔦屋書店でMacユーザーが多くみられるという話を目にしました。
代官山といえばおしゃれというのが世間一般のイメージ。
さぞかし沢山のノマドワーカー達がよりスタイリッシュな作業スタイルを求めて
ここ代官山でディスプレイと向かい合ってるに違いありません。
本当に多かった。
総客数141人で、MacBookノマドワーカーが9人。
非Macユーザーも含めるとノマドワーカーの数は18人で
ここまででダントツの多さでした。
さすがはおしゃれの街。
ネットでは「おしゃれを気取っている」だの「ドヤ顔がうざい」だの
言われたい放題のノマドワーカー達。
おしゃれを意識することをとうの昔に完全放棄した私にすれば
彼らが本当に気取っているのか真意は計りかねますが
言われてみれば全員ドヤ顔にみえるから不思議です。
さあ次の店舗へ。
六店舗目:銀座(銀座松屋通り店)
代官山を去って次に向かったのは銀座でした。
銀座といえば、アップルストアがある場所。
iPhoneの発売日などにここ銀座で人が徹夜で列をなす様子は
最近のニュースでよく見かける光景です。
アップルストアから一番近いスタバはアップル信者たちの巣窟になっているのでは、
という考えのもと訪れたのがこの松屋通り店です。
店員さんに先に2階の空席状況を確認してから注文するよう促されたので、
この隙に人数をカウントします。
ところが
ここにきてまたノマドワーカーが一人もいない状況が。
大手町パターンの再来です。
総客数41人、MacBookノマドワーカー0人、非Macノマドワーカー0人でした。
大手町の再来どころか、非Macのノマドワーカーがいた大手町に対し、
銀座はノマドワーカーそのものが全くいなかったのです。
ここならいるだろうと予測を立てた箇所に限って
全くノマドワーカーがいないというのはいささか驚きです。
七店舗目:六本木(TSUTAYA TOKYO ROPPONGI店)
この企画最後の調査地六本木に着いたころには既に空が暗くなっていました。
この店舗も代官山の店舗と同じくTSUTAYAと隣接する形であり、
購入しなくても雑誌を読みながらコーヒーを飲むことができるのです。
しかし夜ということもあってか六本木の雰囲気は非常に大人びたものがあり、
まさにセレブリティなオーラが漂っています。
渋谷とは違う意味で早く撤退したい気持ちに。
何はともあれノマドワーカーをカウントします。
結果は
(撮影技術不足で申し訳ありません。左のカウンターは3です)
総客数89人、MacBookノマドワーカー3人でした。(非Macノマドワーカー1人)
銀座・大手町や代官山のように極端に個性的な結果が出たところに比べると
インパクトには欠ける結果だ、と思った時点で
私の感覚はおかしな方向に麻痺しているようです。
ここで今回の調査は終了です。
●まとめ
都内のスターバックスでは実に480人に18人がMac Bookを使っている
というわけです。
この数が多いのか少ないのかは微妙なところですが、
しばしばやり玉にあげられる印象の割にはそれほど多くないなと感じました。
それだけ一人のMacBookノマドワーカーの放つ存在感が大きいのでしょうか。
また個人的には、大手町や銀座の様に一見ノマドワーカーが多そうなところほど
案外ノマドワーカーがいないというのは興味深い結果でした。
本当に一流の企業に勤める人々や一等地に住まう人々は、
会社や自宅で仕事をする環境が整っているから遊牧民と化する必要はない、
ということなのかもしれません。
この企画を通して私自身がノマドワーカーを揶揄する意図は(それほど)ありません。
Mac Bookを使うことをやめろなどということが言いたいわけでもないのです。
ただせっかくスタバに来たのだから、
ゆっくりコーヒーを飲んで休む時間を設けてみるのもいかがでしょうか。
「お金を払ってワークスペースとコーヒーを買う」よりも
「お金を払ってコーヒーを味わう時間と楽しみを買う」と考えた方が
よりスマートでおしゃれな印象をもたれるかもしれません。
スターバックスさんもそっちのほうが本望なのではないでしょうか。
コーヒー嫌いなんで知らないですけど。
(文・絵 マツバラ)
君とひとりぼっち