新聞中の『の』を数える (ナルヒラ)
日常生活において、ぎりぎり役に立たない知識をお届けします。
私が小学生1年生の頃、通っていた小学校でクラス毎に全校生徒が楽しめるようなゲームを考え、各々が各クラスを好きなように周ってゲームを楽しむという伝統行事が行われていた。
他のクラスが「紙飛行機飛ばし」や「フラフープ」などの華やかなゲームを実施する中で、なぜだか私の所属していたクラスは「1分間で新聞にある『の』を数える」という鬱を促進させるようなゲームを実施した記憶がある。
今回は13年の時を経てそのゲームの完全版を行う。
ルールは簡単。
新聞一紙に使われている『の』の数を数えるだけだ。
それでは早速始めたいと思う。
新聞を一部買ってきた。計36ページ、腕が鳴る。
時刻は24時。
「国民の生活が第一」結党
話題のきらきらネームは子供だけでなく、党につけることもあるとは驚き。
『の』の数は35個。
文字が多過ぎて段々モキモキ してきた。
文字の多さにもTPOをわきまえてほしい。
でも、やるしかない…
『のの』のチェックは気持ちがいい。
この作業独特のくせになるつまらなさを楽しむ。
15分ほどで1枚目が終了。このペースでガンガン進めたい。
『の』の数は200個。
相原しのさんはさきほどの党の役員になったらしい。
『の』の数は73個。
疲れが出てきた。
写真のようなフェイントに注意せねば。
バスタオルを敷けば、体重を乗せた右ひじの骨がゴリゴリしないことに気づく。
この真剣なまなざしが大学の勉強に向けばいいのだが、残念ながら現在は『の』に向いている。
使用しているペンの形状の都合上、机の上に乗って新聞に対して直角に線を引いた方が書きやすい。
行儀よりも効率を重視した『の』の字探しスタイルの完成形。
新聞のななめ読みとはよく言ったものだが、今は物理的な横読みをしている。
この時点ですでに内容は読んでいない。
『の』を読むのではなく感じている状態である。
写真の一部としての『の』もしっかりとチェック。
今のところ順調に進む。
と、ここで恐れていた事態が起きた。
株式情報のページである。
読み進めていくうちに分かってきたが、株式情報のページは社名しか掲載されていないので『の』は少ない。
ラッキー。
スポーツ欄。
相撲の記事があるので『貴の花』とか『稀勢の里』系の嫌な予感はしたが…
意外と少なかったので助かる。
高校野球の特集ページにて最大の『の』を発見。
幼い頃から見ていた高校野球、熱闘を繰り広げる球児達がもう全員年下なのか、と思うと感慨深い。
『の』の数は128個。
広告のページは『の』が少なくてうれしい。
『の』の数は15個。
27点UPした岡田ほのかさん。
カタカナの『ノ』はカウントしないので『スノーホワイト』『ホタルノヒカリ』の『ノ』はスルー。
新聞中、最小の『の』を発見。
『の』の数は26個。
広告に関する記事の一部。
新聞中、最高の『の』の密度を誇る。
『の』の数は52個。
現在午前6時。さすがに限界が来たので1時間ほど仮眠を取る。
夜が明けた。ラストスパート。
一通り『の』のチェックが終わった。
上の動画のような無価値な静寂が計9時間流れた。
なんとか大学の授業開始には間に合ったので、続きの作業は帰宅後に行うことにする。
帰宅。時刻は22時。
作業を再開する。
今からは『の』のチェックミスが無いかを確認した後、
政治・社会・世界情勢・文化・環境・スポーツ・経済・広告の8分野に記事を分類し、『の』を数えていく。
上の2枚の写真のような『の』のチェックミスが200個ほどあった。
この時点で4時間が経過。
記事をジャンル毎に色分けし、『の』を数える。
かかった時間は3時間。
そして、ついに完成!
結果は…
政治 876
社会 720
世界情勢 469
文化 1113
環境 246
スポーツ 489
経済 250
広告 927
グラフは以下の通り。
新聞全体での『の』の数の合計は…
5080個!
新聞の中に5080個『の』があるという事実と同じくらい、努力した時間と得られる情報の質は必ずしも比例しないという事実にも驚いた。
何かと騒がれている若者の新聞離れ…
新聞に興味を持つひとつのきっかけとして『の』の字探しをやってみてはいかがだろうか。
暇以上のものが潰れます。
ピエロと墓荒らしにご挨拶