死んだ米だけで炊いてみる (ナカガワ)
こんにちは、ナカガワです。
「死んだ米」だけでホカホカご飯を炊きました。
つい先日、実家からお米が送られてきました。
祖父母が田んぼを所有していて、そこで作ったお米を送ってくれるのです。
そのおかげで食費をグッと抑えることができてとても助かっています。
愛媛の自然にはぐくまれたお米です。
おや・・・
これは死んだ米※です。
※死んだ米とは僕が勝手に呼んでいる名前で、主に黒ずんだり、茶色がかったお米などに対して用いられます。
面倒くさいときはそのまま炊かれそのまま食べられますが、基本的に死んだ米は洗米の過程で見つけられるたびに捨てられます。
ちなみに、死んだ米の正式名称を調べようとして、「死んだ米」、「傷んだ米」、「枯れた米」
などと検索をかけたのですが、『アメリカの危機的状況を訴える記事』ばかりがヒットしてしまいました。
なんだか笑ってしまいますね。
それはともかく、ここで僕は思いました。
いつもは捨てられるだけという不遇な立ち場にあるこの「死んだ米」を、
それだけ集めて炊いてみたらどうなるのだろうか、と。
さっそく「死んだ米」を集め始めました。
このカップ一杯分が一合分となっています。一合が約お茶碗2杯分くらいなので
今回はお茶碗一杯分、すなわちカップの半分を集めていきたいと思います。
とはいえこれだけの量の死んだ米を集めるのは至難の技です。
なぜなら、死んだ米はあくまでもまれに存在しているものだからです。
このボウル一杯分のお米の中で死んだお米は10粒に満たないほど少ないのです。
まぁなんとかなるだろうと甘い考えを抱きながら、選米スタート!!
記念すべき一粒目の死んだ米をカップに入れます。
この一粒は小さな一粒だが
人類にとって大きな一粒でもなんでもないです。
ちなみに開始したのは午後11時30分ごろです。
ちまちまちまちま……
一粒一粒…
カップに入れていきます。
しかし・・・
全然集まらない・・・
30分かけてこれだけです。
いったいどれだけの時間をかければ目標の量に到達するのでしょうか。
絶望に打ちひしがれながらも、ひたすら集めます・・・
約3時間後・・・
まだこれだけです。全然集まってません。
ひたすら死んだ米を集めていると何が何だか分からなくなってきてます。
もし仮に今、この部屋に隕石か何かが落ちてきて僕が死んでしまったらそれなりの妖怪になる自信があります。
その時は「米さらい」などという名前が付きそうです。
さらに40分後、午前4時を過ぎてしまいました・・・
そしてさらに40分後、午前5時前になると・・・
空が白んで、もう朝になっていました。
さすがにしんどくなってきたので、ここでいったん仮眠をとりました。
目が覚めたころにはそろそろ授業が始まる時間でしたので、
選米し終わった米にゴミが入らないようラップをかけて大学に向かいます。
大きな袋がなかったので、このようにさまざまな器に選米し終わった米を入れていきました。
そのため、「なんかよくわからない食卓」みたいな画になってしまいました。
・・・・・・
現在午後4時30分。
授業と授業の合間にも部屋に帰ってきて選米を続けます。
この生活はいったい何なのでしょう。
1時間作業をし、また大学へ向かいます。
授業をすべて終え部屋に帰り作業を続けていたのですが、ここで予想もしなかった事態が発生しました。
もうすべてのお米を選米し尽くしてしまったのです。
もうこうなったら仕方がない。
なんとか4分の1合分は集めることができたので、
集められた分だけで炊くことにしました。
粒ぞろいな奴らです。
いつもと同じように、お米を研ぎます。
死んだ米が綺麗になったところでどうだというのでしょう。
しかしこうみるとちょっと変わった玄米に見えなくもないです。
これは味のほうにも希望が持てるかもしれない!
炊飯器にセットします。
これだけの量でお米を炊くのは初めてのことなので、綺麗に炊き上がるかいささか心配です。
スイッチを押しました!
5分ほどしてから、いつもとは全く違う匂いがしてきました。
チーズのような匂いです。
不安になりつつも待っていると・・・
数十分後・・・
ピピーッ
炊けたみたいです。
蓋を開けるぞ!!
ん?
おこげもついていて、割とおいしそうです。
やはりルックスは玄米ご飯に似ています。
いざ、実食!!
ん・・・?
わりとふつ・・・
苦っ!!!!!!!!!
何これ!!
尋常じゃない苦さがあとからやってくる!!
・・・・・・
__________、、、
これは苦すぎます!!!
そりゃそうですよね。このご飯は体に良い玄米でもなんでもなく、
全部が死んだ米なんですから。
この苦さは「これは食べてはいけない」という体からの信号なのでしょうか。
しかし一粒一粒お米を摘んできた今の僕には、お米の大切さが身に染みるほど分かるのです。
残すわけにはいかない・・・
少しずつ・・・
といってももともと量がきわめて少なかったので、
何回かえづきつつも・・・
完食!!!
味はアレだったけど・・・
正直全然おいしくなかったけど・・・
計10時間死んだ米を摘み続けるという苦行を乗り越えた今の僕になら言える・・・
心の底から・・・
ごちそうさまでした。
オニオンプランター