「猫にやさしいシュレディンガーの猫実験」

image (1)

「猫にやさしいシュレディンガーの猫実験」 (ナカガワ)


従来の、「猫に残忍なシュレディンガーの猫」に代わる、新たな実験を行います。


 

比較的有名な思考実験の一つに「シュレディンガーの猫」というものがあります。

image

この思考実験は物理学者のエルヴィン・シュレディンガーによって提唱されたものですが、その内容はこんな感じ。

(面倒な方は読まなくても大丈夫です)

 

 

まず、蓋のある箱を用意して、この中に猫を一匹入れる。箱の中には猫の他に、放射性物質ラジウムを一定量と、ガイガーカウンターを1台、青酸ガスの発生装置を1台入れておく。もし、箱の中にあるラジウムがアルファ粒子を出すと、これをガイガーカウンターが感知して、その先についた青酸ガスの発生装置が作動し、青酸ガスを吸った猫は死ぬ。しかし、ラジウムからアルファ粒子が出なければ、青酸ガスの発生装置は作動せず、猫は生き残る。一定時間経過後、果たして猫は生きているか死んでいるか。(Wikipediaより転載)

 

 

・・・と、一体何がしたいか分かりにくい実験ですが、この「シュレディンガーの猫」を初めて知ったとき僕はこう思いました。

 

 

 

 

 

 

 

猫がかわいそう

 

 

 

 

 

 

猫好きである僕としては、猫を閉じ込めその中で青酸ガスなどというものを発生させようとするなんて、考えただけでも寒気がします。おぞましい。

 

 

もちろんこの「シュレディンガーの猫」はあくまでも思考実験であり、実際の猫を使ってこのような非道極まりない実験をしたわけではないでしょう。

 

しかし、たとえ思考実験だとしても、こんな実験が広まってしまっては困ります。

 

もし、道徳が備わっていないような小学校低学年の男児たちがこの実験の存在を知った日には、

 

「おい、シュレディンガーの猫やろうぜ!」

 

などと言って、彼らは何の罪もない野良猫を攫い、理科室からくすねてきたラジウムガイガーカウンター青酸ガスを用いてこの実験を行うことでしょう。

 

 

このままではいけません。

 

これ以上あの愛くるしい猫たちを苦しませてよいのでしょうか・・・

 

 

そこで今回は、従来の猫に対して残忍な「シュレディンガーの猫」に取って代わる、

 

 

 

「猫にやさしいシュレディンガーの猫実験」

 

 

 

を、行いたいと思います。

 

 

 

 

 


 

さっそく今回の実験に使う道具を買いに行きます。

 

と、ここで本家「シュレディンガーの猫」について解説を加えたいと思います。

 

 

 

例えば箱に入れたラジウムが1時間以内にアルファ崩壊してアルファ粒子が放出される確率は50%だとする。この箱の蓋を閉めてから1時間後に蓋を開けて観測したとき、猫が生きている確率は50%、死んでいる確率も50%である。したがって、この猫は、生きている状態と死んでいる状態が1:1で重なりあっていると解釈しなければならない。

我々は経験上、猫が生きている状態と猫が死んでいる状態という二つの状態を認識することができるが、このような重なりあった状態を認識することはない。(Wikipediaより転載)

 

 

 

こういった考えがこの思考実験では得られるようです。

 

なんだかますます分からなくなりましたが、「50%」というのがキーワードなのかもしれません。

 

それを意識して買ってきた品物がこちら!

 

 

image 

すべて100円均一の商品で代用しました。

 

これらを組み合わせ、今回の実験装置を作成します。

 

 

 

image (1) 

このケースの片方に、今回は青酸ガスではなく

 

 

キャットフードを入れたいと思います。

 

 

 image (2)

猫たちに実験に協力してもらうからにはと奮発しました。

定価498円です。

 

 

 

 

image (3)

そしてこの釣り竿のおもちゃを組み合わせていきます。

 

 

 

 

image (4)

動きが予想以上に激しくて使い道がありませんでした。 

 

 

その動きはこちら。

 

 

 

YouTube Preview Image

 

 

 

 

 

 

と、まぁ装置制作に没頭すること約5分!

 

 

 

 

 

 

image (5)

 

 

・・・完成しました!!

 

 

写真右上の二つのピンクのケースの蓋に、それぞれに釘の埋め込まれた鯛がくくりつけられています。

 

その鯛にルアーのマグネットがくっつき、引っ張り上げると蓋が外れます。

 

ちなみに、中央奥の砂時計はガイガーカウンターの代わりとして配置しましたが、実験には関係ありません。

 

 

ともあれ、このダンボールの箱に蓋がされ、中身が見えない状態でランダムに一匹の鯛を釣り上げれば、50%の確率でキャットフードが猫に与えられるということです。

 

 

 

 

つまり、、キャットフードがケースから放たれた場合には猫がそれを確実に食べたものとする時、

蓋のされたダンボールの中では、

 

「キャットフードを食べた猫」、「キャットフードを食べていない猫」それぞれ存在する確率が50%ずつ。

 

したがって、この猫は、キャットフードを食べた状態と食べていない状態が1:1で重なりあっていると解釈しなければならない。

 

我々は経験上、猫がキャットフードを食べた状態と食べていない状態という二つの状態を認識することができるが、このような重なりあった状態を認識することはない。

 

 

このような考えに繋がるはずです。

 

 

これこそが、

 

 

「猫にやさしいシュレディンガーの猫」

 

 

です。

 

 

 

それではさっそくこの実験を実施するために、場所を換えましょう!

 

 

image (6)

ということで、猫が多くいることで有名な「おとめ山公園」にやってきました。

 

 

 

image (7)

猫はどこだー!

 

 

image (8)

タタタタターッ

 

 

 

image (9)

ズンズンズン

 

 

 

 

今日は午前中に雨が降ったせいでしょうか。あまり猫がいません・・・

 

 

 

image (10)

どんどん奥地に向かっていきます。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・あ!!

 

 

 

 

image (11)

第一被験者候補、発見です!!

 

 

よーし、さっそく実験に協力してもらおうかなー!

 

 

 

 

image (12)

スタタタタターッ

 

 

 

 

 

 

あっ・・・

 

 

 

 

 

image (13)

スタタタタターッ

 

 

 

 

 

 

あっ・・・

 

 

 

 

 

まったく近づくことができません・・・。

 

少しでも距離を縮めようものなら、すぐさま走り去っていきます。

 

異常なまでに逃げられます。 

 

これは困った・・・

 

 

 

image (14)

こんなに愛くるしいのに、近づけばその分距離を取られます。

 

なんだか実らない片想いのようです。

 

というより「ストーカーとその被害者」の構図のほうが近いかもしれません。

 

 

 

 

image (15)

あ、もう一匹いる!!

 

 

 

image (16)

もう一匹はワイルドな黒と白のツートンカラーキャットのようです。

 

この猫は実験に協力してくれないだろうか・・・!

 

 

 

「あの、モッケイエンタテイメントというサイトの企画で・・・」

 

シュタタタタ・・・!

 

 

あぁ、逃げられてしまいました。

 

 

image (17)

この後も、追っては逃げられを繰り返すこと約10分。

 

 

精神力と体力が削られていきます。

 

 

 

はぁ、はぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

image (18)

と、ようやく一匹目の猫が近くに!!

 

 

チャンス!!

 

 

 

image (19)

image (20)

プイッ

 

 

スタタタタターッ

 

 

 

 

 

 

image (21)

・・・・・・・・・・

 

 

 

image (22)

合流する二匹。

 

「ねぇねぇ、あいつさっきからウザくない?」

「ホントホント、恥ずかしいクズだね」

 

などという会話をしているように思えてなりません。

 

 

 

はぁ・・・・・・

 

 

 

 

ダメだ、僕が間違っていたんでしょうか・・・

 

 

 

 

それもそうです。

 

毒入りのエサを野生動物に与えたりするような人が存在するこの荒んだ大都会では、

 

警戒心を失ってしまった者は即ち敗者(=死)となるでしょう。

 

彼らが心を開いてくれるなんて期待した自分を激しく恥じ入ります。

 

 

ちくしょう、ちくしょう・・・・・・

 

 

と落ち込んでいると・・・

 

 

 

 

image (23)

ガサガサ・・・

 

 

 

 

あぁ!!!!!

 

 

 

実験用のキャットフードが・・・!!!

 

 

 

image (24)

バリッバリバリィイ!!!

 

 

image (25)

ムシャムシャ・・・

 

 

image (26)

ペロッ

 

 

image (27)

のっしのっし・・・・

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

もはや呆然自失。

 

 

 

自分が何をしているのかわからなくなってきました。

 

 

 

 

 

 

image (28)
image (29)

そうして奮闘するも全く進展のないまま約90分。

 

「いい加減帰れよ」というような無言の圧力をひしひしと感じます。

 

 

もし彼らが人語を操ることができたならば、今この公園には帰れコールが鳴り響いていることでしょう。

 

 

しかし、まだ一回も実験できていない・・・

 

 

 

どうすれば・・・・・・!

 

 

と、ここで撮影を手伝ってくれている友人が何かを発見しました。

 

 

「ねぇ、あれ」

 

 

 

 

 

image (30)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

image (31)

・・・・・・・・・

 

 

 

僕たちは無言で家路につきました。

 

 

 

そう、やはり僕たちが間違っていたのです。

 

 

 

「猫にやさしい」とは謳っていながらも、その肝心の猫たちには逃げられ、嫌われ、蔑まれ。

 

 

きっと、「放っておく」ことが彼らに対してできる一番「やさしい」行為なのでしょう。

 

 

 

 

そもそも、人間というのは傲慢な生き物です。

 

「自然のために」「地球のために」、などと言っても結局は自分たちが生き延びたいだけ。

 

自然にとってみれば「人間」が存在しないことが一番のエコなのかもしれません。

 

などとは言ってみても所詮人間も偉大なる自然の一部。

 

その偉大な存在の心配をするなどとは笑止千万。

 

もし、人間のせいで地球の環境が荒れ果てたとしても

 

地球と人間、先に滅ぶのは結局人間なのです。

 

人類のいなくなった地球は長い時間をかけ、かつての自然を取り戻すことでしょう。

 

 

 

そしてもうひとつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

image (32)

そう、一見荒唐無稽に見えたこの実験装置は、実はこの世界を表していたのです。

 

 

砂時計は永遠に時を刻み、その傍らで泳ぐ赤と緑の鯛はアダムとイブのメタファー。

ピンク色のケースはそう、開けてはならぬパンドラの箱。

 

そこに釣り針を垂らすは、この世界の創造主。

 

 

これらが意味するものは・・・・・・

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<お詫び>

わけのわからないことを言って企画失敗をむりやり煙に巻こうとしましたが、もうこれ以上文が進みません。

 

 

 

 

今日一番良く撮れた猫の写真をもってお詫びのしるしとさせていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

image (33)

 

 

 

 

 

 

 

 

結論!!

 

 

 

 

 

猫はかわいい!!!!!

 

 

 

 

 

以上、ナカガワでした!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 


nakagawa100

中川翼

オニオンプランター



カテゴリー: 中川の記事   パーマリンク